WORLD

2022.11.02 【 2023.02.21 update 】

英雄達の戦記LV

登場人物に提示される運命の分かれ道。あなたの行動次第で未来が変わる!登場人物に提示される運命の分かれ道。あなたの行動次第で未来が変わる!

2022年11月から2023年2月にかけて開催される「ゼクストリーム 2022.WINTER」では、ストーリー分岐型イベント「英雄達の戦記LV」が5回に分けて開催されます。

イベント会場でのランブル戦参加や、Twitterで出題されるクイズに正解し、〝あなたが望むストーリー展開〟へ投票しましょう。

No 開催日時 タイトル 参加形式
1 2022年11月5日(土) 初戦「怒れる真竜」 イベント会場(東京),Twitter
2 2022年12月17日(土) 第二戦「復讐の輪廻」 イベント会場(大阪),Twitter
3 2023年1月20日(金) 第三戦「まっさらな景色」 Twitter
4 2023年2月10日(金) 第四戦「最初の一葉」 Twitter
5 2023年2月23日(木祝) 最終戦「彼方の明日」 イベント会場(名古屋),Twitter

01 初戦「怒れる真竜」

東京会場のイベントは終了しました。

02 第二戦「復讐の輪廻」

大阪会場のイベントは終了しました。

03 第三戦「まっさらな景色」

こちらのイベントは終了しました。

04 第四戦「最初の一葉」

こちらのイベントは終了しました。

05 最終戦「彼方の明日」

最終戦「彼方の明日」

Illust:吟

開催日時

2023年2月23日(木祝)

参加形式

影響・大:ランブル戦参加(大阪会場)
影響・小 / 投票:記憶を持ち越すプレイヤーを候補者8名から選択(Twitter)

ストーリー

 青の世界を訪れた神門、世羅、ニーナ、春日、千歳、それぞれのパートナーゼクスたち。

 幻夢郷におけるアドミニストレータ ソルとの全面対決に関する報告を済ませた神門は、青の世界での権力を要求した。青の世界へ飛ばされて早々、虚のさざなみなどの異変を観測したからである。

 治安維持部隊の頂点にして青の世界の代表であるアドミニストレータ ベガは異常事態の収拾を条件に、神門の申し出を承認した。当然、それは異例の判断であり、多くの敵を生む結果となる。

 一方、千歳から同様の報告を受けたアドミニストレータ デネボラは無念の拳をわななかせた。

「ソルは逝きましたか……。出来ることなら直接ぶん殴ってやりたかった。なのに、非道の言い訳を聞くことさえ、もはや叶わぬというのですか!?」

「ごめん。あたしは青の世界に連れ戻すつもりだったんだけど……。後で知った時には、もう」

「……いえ。こちらこそすみません。取り乱しましたが、青葉千歳さん、貴女に非はありません」

 無二の親友をスーパーコンピュータ・シャスターの礎にされた無念を、晴らせなかったことへの怒りである。このことは〝のちに〟シャスターの有り様を根底から覆すきっかけとなるが、それはまた別の話。

 青の世界における拠点を確保した神門は、すぐさま【黒崎神門超常現象研究室】略して【黒超研】を設立。

 好奇心旺盛な世羅と冷静で慎重な春日を調査班リーダーに、かつて神々の討祓戦へ参加した折に治安維持部隊へ配属されていたニーナを防衛班リーダーに、そして千歳を自らのボディガードとして任命した。本来であればアレキサンダーが神門の護衛を担うべきところだが、彼は世羅と春日の子守りを任じられている。

「黒超研のちびっこどもが慌ただしくしてやがる」

「黒崎神門超常現象研究室からの指示が的確過ぎるの。逆に戸惑っちゃうくらい。ソル様の再来って風説も的を射てるわね」

「なにかおっぱじめようってんなら、私もひと口乗らせてもらおうか!」

 黒崎研は瞬く間に様々な功績を挙げ、当初は〝ソルの再来〟と危険視していた者たちからの信頼も勝ち取っていった。

「黒崎君は凄いにゃあ……。なんでも解決してしまうのにゃ」

 神門とは幻夢郷での決着後に知り合ったばかりのニーナも、その天才的な手腕に驚嘆している。

 手放しに兄を褒められ、ここのところ、妹の春日は非常にご機嫌だった。

「春日たちに焼失したキラーマシーンの残骸を集めさせたのは、〝世界の意志〟を読み解くためなのだそうです。意味や意義が理解らずとも、みか兄様を信じて進みます」

「そのよく分からない研究の成果として【虚数シールド】が開発されたのにゃ。カーバンクル部隊が虚のさざなみを無効化出来るようになったから、早速みんなを守ってくるにゃ!」

 虚のさざなみやカードデバイスの消失といった事件は他世界同様に発生している。

 しかしながら、青の世界は大きく分けて五系統が存在する未来の可能性のうち、もっとも安定した平和を謳歌している。言うまでもないが、以前はそうではなかった。あくまで、シャスターを巡る革命戦や神々の討祓戦を乗り越え、掴み取った平和である。

 以前の青の世界であれば、勢いに乗じて他世界をまとめて潰しに掛かっていた場面。しかしながら、現在は他世界との協調姿勢を最優先している。シャスターに代わり、不慣れながらも頂点に立つことを選んだアドミニストレータ ベガと、彼女の背中を後押しして青の世界を去ったアドミニストレータ ポラリスの想いが、そこにはあった。

 竜の姫君が願うまでもなく、五つの世界はゆるやかに融和の道を歩んでいた。

・ ・ ・ ・

「おぞましき力が我らの拠点を粉微塵に……」

「黒超研を飛び出して正解だったね。ワールドアバターを迎撃されて、逆鱗に触れちゃったかな? ふひひ」

「春日殿ネイ殿の預言通り。神門殿はレヴィー殿に危険視されているようでござる!」

「あたしが視れるのはせいぜい10分後の未来だから、あんまりあてにしてもらっても困るけどね~。魔導書ネクロノミコンでも見透せないものはあるし」

「カーバンクルのみんなに頼んで、神門君やベガさんの管制室があるセントラルタワーと、いまボクたちがいる建物の周辺には、虚数シールドを展開してありますにゃ」

「ありがとう。心強いよ」

 それは、プリンセス・マギカが刺客として送り込んだ嫉妬の眷属【ワールドアバター】に対し、神門が大戦力を差し向けた直後のことだった。黒崎神門超常現象研究室の消滅を予期したネイの言葉に従い、全員が避難を終えた直後、拠点としていた建物が消滅したのである。

「カウンター攻撃へのカウンターってとこだね。うちら待機組を一網打尽にする目論見だったかな?」

「外郭は竜の巫女とパニッシャーが、本丸は黒超研が対処します。そう決まったからには、春日たちは出撃命令を待つのみです。みか兄様と一緒にサポートを頼みますよ、ルナ!」

 春日は窓の外、高くそびえるセントラルタワーを見上げた。先刻の奇襲やワールドアバターの出現経路からレヴィーの居場所を割り出すため、神門やスーパーコンピュータのAIであるルナが人智を超えた計算を行っているはずだった。なお、セントラルタワーの本来の主であるベガは他世界の問題解決に対応しているため、黒超研の作戦からは外れている。

 神門からの連絡を待ち、緊張が高まる中――

「〝シャスターでも計測不能か。だがこの勢いで歪みが広がれば世界はめつぼうする!〟」

 唐突にとんでもないことを口走った世羅を、皆が振り返る。

「あはは! みか兄のモノマネ~! 昨日ね? 確かそんなこと言ってたよ」

「びっくりさせないでよ! ……けど、それを神門が言ったのなら世迷い言じゃないんだろうね。あたしには歪みってのがなんなのか、ちっとも分からないけど」

「千歳殿に同じくでござる。神門殿の言葉はその大半が意味不明でござるよ」

「はい! 僭越ながら説明させていただきます!」

 勢いよく手を挙げたのは、童顔が愛らしい正体不明のゼクス、リルフィだった。虚のさざなみの出現と前後して出現した、異次元からの来訪者【パニッシャー】と呼ばれる者たちのひとりである。

 彼女のほかにも大勢いたパニッシャーは〝隣人の窮地を救うために自分たちがいるのだ〟と協力を申し出ており、神門は未知の戦力である彼女らを躊躇なくワールドアバターへ差し向けた。

 唯一、神門直々に指名され黒崎研の臨時メンバーとして迎え入れられたリルフィのみ、セントラルタワーの隣に創られた一時避難所で世羅たちと一緒に待機している。

「五つの世界に神域、幻夢郷に星界。さらに並行世界。リルフィ時空も並行世界のひとつですね! ……と、このように皆さんの【竜域】は多数の異世界と繋がっています。いえ、繋がり過ぎています。このままでは時空の緩みというか……。黒崎さんも言っているように、歪みが心配です。事故がなければ良いですが。そして不肖リルフィ、説明と問題提起はしましたが頭は良くないので、詳しいことはちんぷんかんぷんですッ!」

「プリンセス・マギカ レヴィーは上柚木綾瀬の悪意を顕現せし存在。あらゆる嫉妬感情を糧に力を増しておる。世界の危機じゃ」

 着席したリルフィに続けて、巫女装束に身を包んだ少女が懸念を口にする。

「エアさん? パニッシャーと一緒に出撃したんじゃ?」

「我らの役割は竜の加護を与えることのみ。戦力にあらず」

「ロードクリムゾンらがいるならともかく、あいにくと別行動していますので」

「うべなうー。イノセントスターも、あかのせかいでがんばってるのー」

「竜の巫女単独では足を引っ張りかねません。心配せずともパニッシャーの武力は本物でした。紛れもない救世の勇者です。異世界の者たちに命運を託すのは歯がゆい思いでしたが」

「貴様たちにも竜の加護を与えてやらねばならんしな!」

 エアに続けて現れた、赤、白、緑の竜の巫女も思い思いに着座する。

 これもまた、以前ならば考えられない光景である。竜の巫女が人前に姿を現すことは稀であったし、なにより、各世界の竜の巫女は互いを敵視していた。

「レヴィーはすべてを無に返そうと目論んでいます。由々しき事態です」

「そういえば、いま、春日たちが装着しているリング・デバイスも、少し前まで〝似て非なるもの〟を使用していた痕跡があるそうですね」

「〝最初から無かった〟ことにされたものは、纏わる記憶も、やがて失われるらしい」

「記憶が、無くなる……? 大切な約束も……? そんなの、リルフィは絶対に嫌ですッ!」

「落ち着け。かくいう私も記憶が奪われている故、判然とせんのだが」

 指先ひとつで桜の花吹雪を部屋一面に散らせるクシュル。次の瞬間にはそのすべてを消してみせた。

「おそらくリング・デバイスと〝似て非なるもの〟は、おまえたちのような力あるゼクス使いを無力化するため、消されたのだろう」

「彼奴に許されねば、万物が存在を否定されるのじゃな」

「強い意思があれば抗えるけど、最初から意思の無いモノだとそうもいきませんにゃ」

「そういえば、虚のさざなみに襲われた時も同じだったにゃあ。たとえにゃあにゃ本体が無事でも、着ている服は必ずぼろぼろ。聖職者ともあろう者があられもない姿――」

「クゥン! 黙れにゃ!」

「やれやれ。なんだってレヴィーはなんでもかんでも敵視するんだろね~? べつにいいじゃん。おきらくごくらく、テキトウに生きとけばさ……」

「みか兄様ならなんとかしてくれると信じたい反面、そんな途方もない相手に春日たちが勝てるのか、どうしても疑問に感じてしまいます……」

 面倒くさがりのネイに続いて、現実主義の春日も深い溜め息をつく。

 ともすれば重苦しくなる雰囲気。それを許さない者もいた。

「もうっ! ダメだよかすてら! みんなも!」

「世羅の言う通り! 弱気になったら虚のさざなみにだって抗えなくなる。勝負する前から負けちゃうよ?」

「……ふふっ。そうですね。ありがとう、世羅ちゃん、千歳さん」

「とは言え、拙者らは未熟者や人生経験の浅い若輩者ばかり。建設的な意見を出せそうにないでござるよ」

「竜の巫女の皆様は、敵の脅威や時空の歪みについて、どうお考えですにゃ?」

 ニーナが傾げた首と反対方向へ。赤の竜の巫女メイラル、白の竜の巫女ニノ、緑の竜の巫女クシュル、始まりの竜の巫女エアが息ぴったりで首を傾げた。

 ちなみに、青の竜の巫女ユイは避難所には立ち寄らず真っ直ぐ神門の元へ向ったため不在。つまり、有効な意見を出せる頭脳派は、この場に誰ひとりいないのである。

「パニッシャーの応援でもするか!」

 最も有効な意見を千歳が提案した、その直後。

 建物が、床が、空気が、揺れた。

・ ・ ・ ・

 ワールドアバターを返り討ちにされたレヴィーは市街地の一部を虚無へ返し、自らの姿を曝け出した。静かな怒りをほとばしらせながら〝なにもなくなった場所〟の中央にたたずんでいる。

『パニッシャーとワールドアバターの戦いは長引くと想定していた。皆にとっては想定より早い段階での出撃となり、申し訳なく思う。ともあれ、以上が作戦の概要だ。質問はあるか?』

「確認するよ。青の世界と各世界の技術を融合させた、最新鋭のバトルドレスを身に着けた世羅と春日が攻撃の要。ニーナとあたしが防御の要。竜の巫女が適宜支援。神門は管制塔ってことでいいね?」

『間違いない。本音を言えば世羅と春日を最前線へ送り出すのは避けたかったが、ふたりの連携をも凌ぐ最適解を導き出せなかったのでな』

「レヴィーが出て来た時はびっくりしたけど、ちゃんとボコすから! せらとかすてらに任せて安心してて!」

 レヴィーが出現した方向へオリハルコンティラノの杖を振り下ろす世羅。

 春日も力強く頷いたのを確認すると、千歳はビジョンに映る神門へ追加の質問を投げかけた。いまもセントラルタワーに籠もっている彼の背後にはアレキサンダーの姿もある。

「もひとつ確認。無力化だけでいいね?」

『構わん』

「よし。それを聞いて安心した! 世羅と春日はあたしなんかが心配するほどヤワじゃないと思うけど、人型の女の子と戦うわけだから一応ね? ……もっとも。手加減させてくれる相手じゃないだろうけどさ」

「トドメが必要な場合はクシュルが喜んで引き受けるって言ってたよ?」

「言ってない! 普段から竜の巫女最強を豪語してるメイラルがやれば良かろう!」

「謹んで辞退します。汚れ役は効率最優先のユイこそ適任かと思いますが」

「けんかしちゃだめなのー」

「あのー。リルフィからも確認です」

 威厳の欠片もない竜の巫女たちが騒ぎ立てる中、リルフィがおずおずと手を挙げる。

「本当にリルフィは出撃しなくてもいいんでしょうか? リルフィだって、ぎゅんぎゅん戦えますよ? 確かに先生不在でイグニッション・オーバーブーストも出来ませんし、全力を出せませんけど!」

『イグニッション・オーバーブーストはもはや過去の技法と言っていい。春日たちが実践しているのはおまえが知るオーバーブーストの、遥か先をゆくものだ』

「ぐぬぬ……。あんなに苦労して身に着けたのに、こっちでは通用しませんか……。分かりました。ここで大人しく待機してます」

『黒超研の秘密兵器だとでも思っておけ。もしも春日たちがピンチに陥ったら、力を貸してやってくれ』

「分かりました! 微力ながら!」

『現時刻より【嫉妬感情体討滅戦】を開始する!』

 世羅、春日、ニーナ、千歳が出撃し、メイラル、エア、ニノ、クシュルがそれぞれの支援につく形で後を追った。

「みなさん、リルフィの分も頑張ってくださいね! ……そして」

「なにが起きてもリルフィは絶対に忘れません。それが唯一の約束ですから」

 ひとり残されたリルフィは、どこにいるとも、いないとも知れない大切な人へ想いを告げる。

『リルフィ』

「わひゃ!? 通信、まだ繋がってましたか! なんでしょう?」

『ワールドアバターの消滅と同時にパニッシャーが一斉に姿を消した訳だが、おまえひとり残留している理由が分かるか?』

「すみません。ちっともです」

『【世界の意思】を読み解いた結果、パニッシャーは救世のため召喚された異世界の思念体だと判明している。だが、どういうわけかおまえだけは実体だ』

「リルフィだけが……。そうなんですか!? なんだか特別感ありますね! 沈没しかけた心がきゅんきゅんしてきました!」

『ほかのパニッシャーたちは役目を果たしたから消えたのだとするなら、実体を伴って出現したおまえにしか出来ない役割が残っているのだろう。俺はそう考えているが、心当たりはないか?』

「リルフィの役割ですか……? 残念ながら見当もつきません」

『やはりな』

「〝やはり〟ってなんです馬鹿にして! ぷぅ~ッ!」

・ ・ ・ ・

「やはりな。追跡している体を装い、おびき出してはみたが……。俺たちのいるセントラルタワーではなく、かなり座標のずれた場所へ出現している。聖女の魂を受け継ぐニーナならともかく、有象無象が展開した虚数シールド如き、奴ならものともしないはずだがな? さっきの黒超研拠点の消滅も同様。俺が不在にしていたから攻撃出来た訳だ。すなわち――」

 数刻前。世羅たちに出撃指令が下る直前のこと。

 神門は5人の竜の巫女と相対していた。すでに神門のもとにいたユイが、メイラル、ニノ、クシュル、エアを呼び寄せた形である。

「俺と奴は反発する。双方に星界の管理者権限が付いている疑い……。なるほど異常事態だ。創世の資格を持つ者が、同じ位相にふたり存在している訳だからな。助言に感謝する、青の竜の巫女」

「のう、黒崎神門。妾にはひとつ懸念があるのじゃ。レヴィーは凶悪な嫉妬感情体。世界消滅を憂う我らの想いと衝突する際、起こり得る作用は相殺か、はたまた暴発か……」

「……なんだこれは。この感覚はなんだ。なんだというのだ!」

「うるさいよ、クシュル。ユイたちは真面目な話をしてるんだよ?」

「いったいどうしたと言うのですか?」

 エアが神門へ答えのない疑問を投げかけたその時。クシュルが頭を抑えて呻き出したのである。

「遠き大樹が私に囁き掛けているのか」

「たいじゅ? ユグドラシルのことなのー?」

「……〝大難に抗うな。円環に呑まれる〟だと? 馬鹿言え! 奴を放置すれば総て滅びるぞ!?」

・ ・ ・ ・

 レヴィーと世羅たちが向かい合っている。

 真祖の嫉妬の魔人レヴィアタンを素体とするレヴィーは、万物に対する憎悪を隠しもしない。不屈の聖女と竜の巫女の加護が無ければ気圧されてしまっていたことだろう。

「気付いているかしら、貴女。忌々しい黒の世界が消えた。呆気ないでしょう?」

「〝黒の世界〟という言葉に引っ掛かるものはありますが、春日やネイちゃんとなんの関係があるのですか?」

「くくく……。あはははは!」

「なにが可笑しいんですか!」

 竜の姫君は墓城を星界送りにした。

 レヴィーはかつて墓城が存在した黒の世界をまるごと星界送りにした。

 誰も知らない。思い出すこともない。

 ほんの数時間前まで黒のリソースを操作していた春日でさえ、墓城で日々を過ごしていたネイでさえ。

 レヴィーはそれが可笑しくてたまらなかった。

「……私は全部消す。別次元もろとも。特異点が足掻こうと修復不可能」

「春日には不可能を可能にしてきた仲間がいます。みか兄様がついています。絶対に負けません!」

「でも、なんでみかにいは戦わないんだろ? 〝なぜ余が最前線に立てぬのだー!〟ってサンダルコがよっきゅーふまんしてた。ルシエル様を倒した時なんか、一番前でビーム跳ね返したり格好良かったのに!」

「その話を聞くたび、うずうずします。みか兄様の勇姿、見てみたかったです! それはそれとして、みか兄様が直接参戦しない理由ですか。言われてみれば、確かに聞いてません」

「賢明な判断かもしれないわ。だって、私と彼には星界の管理者権限が備わっているのだもの」

「星界……?」

「管理者けんげん……?」

 彼女たちにとっては、それらのワード自体が初耳だった。レヴィーがなにを言い出したのか判然とせず、きょとんとしてしまう。

「なにも聞いていないのなら、その呆けた顔も無理ないわ。けど、知る必要もない。だってあなたたち全員、このあとすぐに〝最初から無かったことになる〟のだもの」

「ハッ! いまさらそんなの、脅しにもならないね! 何故なら、あたしたちは勝利を確信してるからだ!」

「さっきあなたの顔を最初に見た時は、ホントに綾瀬さんそっくりでびっくりしたにゃ。……なるほど。確かにボクはなんらかの意思に導かれてここにいるみたいですにゃ」

 世羅たちはそれぞれのパートナーと合体している。数々の苦難を乗り越え、様々な技術と知識を手に入れ、比類無き強さを身に付けた状態で、基本に立ち戻ったイグニッション・オーバーブーストを実行した。神門がリルフィに方便を使ったのは、彼なりの優しさか、それとも――

「物理の世羅ちゃんと魔法の春日。ふたりが協力すれば砕けない悪などないと証明します」

「くらえっ! いつかびんがにやられて痛かったスタイリッシュ頭突きのせらバージョン!」

「口より先に手が出るあたしから見ても、世羅の動きは無茶苦茶……。難易度高いな!?」

「ボクが守護結界を展開しますにゃ。千歳さんは春日ちゃんの護衛メインで頼むのにゃ!」

 ひとりでふたつ。ふたりでひとつ。さらに頼もしい仲間も一緒。恐れるものはなにもない。

 世羅を先頭にして、四人の少女たちが絶対悪へ立ち向かう。

 虚無の到来を防ぐため。

「私は世界を憎む。運命を恨み、苦痛を辛み、幸福を妬み、偽善を嫉み、安穏と過ごす家族を僻み、私を救わない世界を最初から無かったことにする」

「陳腐な表現だけど、私は神。抵抗は無駄よ」

運命の分岐

最終戦の目的はただひとつ。嫉妬感情体レヴィーの討伐です。

名古屋会場で行われるランブルののべ参加者数と後述のTwitterアンケート参加者に応じて、ミッションポイントが加算されます。

最終的なミッションポイントによって、2023年4月以降の物語に記憶を持ち越すメンバーが決定します。候補者は異世界からの来訪者である「リルフィ」、竜域(現代世界)を守護する「始まりの竜の巫女エア」、最も運命力が強いゼクス使いとされる「黒崎神門」の3名です。

ミッションポイントは下記の計算式で算出されます。

[会場のランブルのべ参加者数×5]

[TwitterアンケートAの参加者数]

[TwitterアンケートBの参加者数]

名古屋会場でのイベントと並行し、2023年2月23日(木祝)9時にZ/X公式アカウントから発信されるツイートアンケートに答えることでも、ミッションポイントの獲得が可能です。

アンケートはやはり記憶を持ち越せる人物を決定するためのもので、英雄達の戦記LV初戦~第四戦の主要人物8名が候補者となっています。

回答期限は16時00分までの7時間です。

また、「イース」はこれらの結果に関わらず記憶を持ち越します。

判定と展開 到達したミッションポイントに応じ、指定の人物が記憶を持ち越します。
候補者 ・2,000pt:リルフィ
・3,000pt:始まりの竜の巫女エア&ラストゼオレム
・4,000pt:黒崎神門&アレキサンダー
判定と展開 TwitterアンケートA「記憶を持ち越してほしい男性」
得票率上位2名(とパートナー)が記憶を持ち越します。
候補者 ・戦斗怜亜&ローレンシウム
・天王寺飛鳥&フィエリテ
・イリューダ・オロンド&マルディシオン(トネリ)
・剣淵相馬&フィーユ
備考 ・英雄達の戦記LV第三戦【大成功】特典として+1名されています。
判定と展開 TwitterアンケートB「記憶を持ち越してほしい女性」
得票率上位1名(とパートナー)が記憶を持ち越します。
候補者 ・竜の姫君
・上柚木綾瀬&ズィーガー
・百目鬼きさら&ヴェスパローゼ
・蝶ヶ崎ほのめ&迦陵頻伽

 記憶を持ち越す者は、イース、リルフィ、エア、飛鳥、綾瀬、相馬となります!