未来:黒の世界

黒の世界

Illust. 吟

[ 2015.04.02 掲載 ]

状況

 人為的に引き起こされた大恐慌によって地球上のすべての国家が財政破綻し、人類の支配者が国家から企業に取って代わられた未来では、七つの巨大企業で構成された《円卓会議(KORT=the Knights of the Round Table)と呼ばれる組織が実質的な人類の支配者となり、また、それぞれの企業のトップが絶対君主のように君臨していた。

 円卓会議による支配は、人々が想像するより、はるかにましなものだった。
 国境は消え、戦争や飢餓はなくなり、人類はその発祥以来初めて恒久的な平和を手に入れた。

 しかし、その平和が長く続くことはなかった。
 この世のすべての富、権力を手に入れた者が次に欲するものはなにか?
 それは《不老不死》。
 やがて《七大罪》となる企業のトップたちは、古の中国皇帝のように不老不死の研究へ没頭した。

 ある時、後に《黒い男》と呼ばれ、《七大罪》のトップに君臨することになる元傭兵が七枚の《仮面》を携え、円卓会議のトップが集まる場に現れた。
 南アフリカや日本など世界各地で発見されたという不気味なオーラをまとった七枚の仮面について、「この仮面を付けて人を殺せば、相手の寿命を奪うことができる」と男は説明した。
 戸惑う円卓会議のトップたちの前で、男が仮面を付け――
 そこから世界が暗黒時代に突入するまで、さほど時間はかからなかった。

 オリジナルの七枚を元に《百目鬼財団》と《ロイガー・ダイナミクス》が共同で仮面を複製させると、それらは円卓会議のトップの一族や幹部たちに与えられた。
 複製には月の裏側にしか存在しない物質が必要とされ困難を伴ったものの、最終的に千枚もの仮面が新たに誕生することとなる。
 仮面はオリジナルの七枚同様、その元となる素材によって七つの属性に分かれているが、不思議なことに複製された仮面のひとつひとつはすべて異なる能力を持っていた。

 かくして、人類は仮面を持つ者(=ディアボロス)と持たざる者(=獲物)に分けられた。
 仮面を持つことは特権であり、ディアボロスたちは中世の貴族のように振る舞って、持たざる者のことを、自分たちの寿命を延ばすためだけの存在だと認識するようになった。

 人々は仮面を奪い合った。
 ある者は自らのため、ある者は愛する者のため。
 倒された者の仮面はまた別の者に与えられた。

 仮面を持つ者同士がより永い寿命を求めて殺し合うようになると、他者の命を奪うことに適した形態へ肉体を改造する者が現れ、戦闘を補佐する道具としてトーチャーズやプレデターが生み出された。

 寿命を延ばすための殺戮は、いつしか、永遠の時を消化するための単なる暇潰しへと変貌した。

 一方、すべての元凶とも言える七大罪たちは不老不死の域へ到達した末、仮面に人間性を食い尽くされて、いずこかへ姿を消してしまった。
 オリジナルの、最狂の仮面と共に……。

 ブラックポイントの発生した現代において七大罪を名乗る者たちは、オリジナルの仮面を持つ原初の七大罪が消えた後、一族の中で最も力を持っていた者たちである。

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