ENCYCLOPEDIA

2023.04.18 【 2023.05.18 update

リルフィの〝こっちの世界〟レポート

リルフィが得た新知識を皆さんにもお知らせします!

一回目は5~6年くらい過去へ時間跳躍。大半の記憶と(おそらく身体の成長度)を失いました。

二回目はリルフィ時空からみなさんのところへ空間跳躍。記憶は保持されました。

三回目は1年ほど過去へ時間跳躍。記憶は保持されました。

すっかり時空跳躍トラベラーと化してしまったリルフィは、大好きな「先生」と離れ離れになったまま、新たな時間軸へ放り込まれてしまった形です。特殊な境遇と自身の経験を照らし合わせて、知り得た知識を皆さんにも共有出来ればと思います。

リルフィは、ナビゲーターですから……!

収録ワード 27+2 words

ワード
新規

パニッシャー[更新]

SSD

懲罰委員会[更新]

憑依

五つの世界

虚数シールド / キルクズ

グロリア

九戴龍王

ク・リト

ゼクス使い

三賢哲

シャスター

十二星聖

守護者殺し / 枢要大罪

千年國

治安維持部隊

舞鬼

ディンギル

懲罰委員会 / TT

デザイアリンク

バシリカ・トゥーム / パニッシャー / ブラックポイント

ペンドラゴン使徒教会

四世界議会

四大天聖

リルフィ / リング・デバイス

五つの世界

[ いつつのせかい ] 一般名詞 / 現代世界

 突如出現した五つの世界のブラックポイントから、進化した人類「ゼクス」が出現し、未来を勝ち取るための戦争を始めました。

 個の強さを追い求める「赤の世界」。

 超科学により発展した「青の世界」。

 精神性の高みを目指す「白の世界」。

 死の概念を超越させた「黒の世界」。

 自然と協調して生きる「緑の世界」。

 ……です。

 それから三年。それぞれの世界は互いの主張を理解し、各々が内包する問題を解決し、徐々に和解の方向へ歩んでゆきます。そのような動きが取れたのは、のちに「四世界議会」によって「親善大使」に抜擢されることとなる者など、若きゼクス使いたちの活躍が大きかったとされます。

 なにより〝未来を選ぶのは現代世界の人間たちであるべき〟という、青の世界のアドミニストレータ ポラリスと白の世界の大天使ミカエルが唱える、至極当然の論調が浸透したからにほかなりません。

 ですが、足並みをそろえようとする赤・青・白・緑の世界と反目し、真っ向から四世界の殲滅を宣言した者たちもいました。黒の世界です。

 既知のものより遥かに巨大なブラックポイントは、この時空の黒の世界が「異質」である証明でしょうか。

勢力図

 彼らは三年前の出現時にも、無力な現代世界の人間たちへ容赦なく戦火を浴びせるなど、一線を画す存在であったといいます。ブラックポイント周辺の静岡・山梨・群馬・栃木・茨城はいまや人の棲めない焦土と化しました。一般人は決して足を踏み入れてはならない極限危険地帯に指定され、勢力圏の隣接する青の世界と緑の世界が強固な防衛線を敷いています。

九戴龍王

[ きゅうだいりゅうおう ] 称号 / 緑の世界

 緑の世界黎明期において大樹ユグドラシルと壮絶な戦いを繰り広げた剣聖ソーマと、彼を支えた原初のホウライ九名を指します。それから途方もない月日の流れた緑の世界では、末裔もまた「龍王」の名乗りを許されていました。彼らはモウギと呼ばれる神木を祀っており、その枝からつくられた武器を携えています。

 紅姫さんの代で途絶えてしまった九戴龍王チトセの家系はモウギの武器「九頭竜」を伝えるのみ。ホウライの若者にはチトセさんの名を知らない者も多く、八名の末裔のみを指して「八大龍王」と呼ぶことも多いみたいです。

 モウギの真相は大樹ユグドラシルの根。既に失われたものとみなされていましたが、実際には存在していて、戦いにその身を捧げた剣聖ソーマがその内側で眠っています。そのためモウギと剣聖ソーマの奪還は九戴龍王(八大龍王)の悲願とされているのだとか。

 所在地は現代日本地図と照らし合わせた場合、九州の高千穂地方になるようです。

 モウギに対する考えは時を経るうちに変遷しました。現在の派閥はふたつ。純粋に剣聖ソーマの墓標としてモウギを信奉する優鉢羅派閥と、剣聖ソーマを獲得して原初の力を取り戻そうとする和修吉派閥です。

 派閥の対立は高千穂地方を勢力圏に置く赤の世界をも巻き込むと、北海道の侵略を目論む戦国武将ブレイバーたちの野心を刺激。最終的には赤と緑のブラックポイントを転換する天変地異を引き起こしました。双方へ甚大なる被害をもたらした戦乱は、都城出雲さんや青葉千歳さんの父親といった自衛隊上層部や多数のゼクスの活躍で鎮められています。最終的には赤と緑の世界が和平を結ぶきっかけにもなりました。

 余談ですが、緑の世界には大樹ユグドラシルの枝葉が陸・海・空を問わず張り巡らされており、モウギの元までたどり着くのは不可能でした。しかしながら「エレメンツ」と呼ばれる者たちの伐採能力により、到達も可能ではないかと考えられています。

 エレメンツはホウライとライカンスロープの特性を合わせ持つゼクスで、旧時間軸での出現はかなりの末期だったはずです。ブラックポイントが発生してから三年の間に決着した事件もあるようですし、既知の出来事は早回しでなぞられている感じがします。

虚数シールド

[ きょすうしーるど ] 技術・技法 / 青の世界(白の世界)

 青の世界の超科学である肉体の電子化と、白の世界の知的精神体セイクリッドビーストなどが比較研究され、虚数力学が誕生しました。その産物となる、物理法則を無視して光や音などの〝波をつかむ〟技法を会得した者は「デジタル・ウィッチ」と呼ばれ、青の世界の治安維持部隊「カーバンクル」に所属しています。

 青の世界のアドミニストレータ ポラリスが白の世界の大天使ミカエルに働きかけ、実現しました。

 虚数力学を根源とする技法のうち、もっとも使用機会の多いものが黒の世界の幽鬼や魔法に極めて有効な「虚数シールド」です。魔法や呪術の効力を弱め、実体を持たない霊体の侵入を阻む効果を持つため、カーバンクル以外の部隊にも使い手が存在します。

 白の世界のゼクス使いであるニーナ・シトリーさんが展開する虚数シールドは、規格外の防御性能を持つため「聖女結界」と呼ばれ、彼女自身も「聖女」「虹天使」のふたつ名で広く認知されているようです。

キルクズ

[ きるくず ] 組織 / 青の世界(緑の世界)

 ブラックポイントが出現してから犬猿の仲だった青の世界と緑の世界が、四世界議会成立の折、ついに停戦しました。その〝平和の象徴〟として結成されたサーカス団です。黒の世界のブラックポイント周辺にある極限危険地帯を周り、サイエンス・トリックによる慰安巡業を行っています。座長はライカンスロープのバルプスさん。

 アドミニストレータ アルクトゥルスがサーカスの小道具・大道具として小型のキラーマシーンを提供する形で働きかけ、五頭領ウェアジャガーが千年國の住人から有志を募りました。生命力にあふれる緑の世界のゼクスたちの体技に見惚れた青の世界のゼクスも、のちに一座へ合流しています。

 青の世界と緑の世界が同盟を結んだ〝平和の象徴〟とはいえ、両世界のクライアントであるアルクトゥルスさんとウェアジャガーさんは極めて不仲です。

守護者殺し

[ がーでぃあんきらー ] 人物 / 黒の世界

 白の世界のガーディアンばかりを狙う、少女と黒豹のプレデターです。

 最初の被害者はダウラギリさん。

 弓弦羽ミサキさんのパートナーゼクスのひとりであり、もうひとりのパートナーゼクスであるケィツゥーさんの大切な人、ガルマータさんを討つため無差別にガーディアンを襲っているとされます。神出鬼没で被害者は増える一方。四世界議会の発足後、都城出雲さん直々に指名手配を発令する事態へ発展しています。

 一命を取り留めた被害者の発言によれば、彼女の表情には迷いが見て取れるそうです……。

 憶測だけでものを言うのは良くありませんが、正体は恐らく。……いえ。やっぱりやめましょう。

ク・リト

[ くりと ] 種族 / 異海

 新たに認知された種族です。

 マイナーな伝承やつくり話に登場し、〝知る人ぞ知る〟〝眉唾もの〟レベルで知られてはいたようですが。固有名がいずれも発音困難であり、文献によって記載が異なる点も信憑性を欠く原因なのでしょうね。

 彼女たちの故郷である「幻夢郷(ドリームワールド)」はしばしば「異海」と表現されます。私たちの住む世界とは深海で繋がっているとも、遥か彼方の宇宙に在るとも言われてきました。

 私個人としては「零域(エンテレケイア)」という宙域に存在することと、竜域・神域・零域のすべてを内包する「星界」についても、いちおう聞き及んではいます。

 ク・リトは個体差の激しい種族です。

 共通項は、人間の少女に触手や瞳などの新たなパーツが付属した外見であること。組成は白の世界の精神生命体に近いですが、実体化は出来ません。顕現するにはほかの生命体、おもに人間の肉体へ憑依する必要があります。少女がベースに選ばれがちなのは、可愛い女の子の外観である方が皆さん油断しちゃうからじゃないですか? 詳しくは知りません。

 話を戻します。媒介を必要とするのは、彼女たちが無から有をイメージ出来ない〝想像力の欠如した種族〟だからです。例外的に王族のみ人類同等の想像力を持つため、憑依を必要としません。

 享楽主義である一方、善悪の区別を行いません。はるか昔には、神々との間にも禍根を残しました。

グロリア

[ ぐろりあ ] 人物 / 黒の世界

 黒の世界への対策を協議するため、四世界議会が執り行おうとしていた「四世界サミット」の会場を、イリューダ・オロンドさんとともに襲撃した人物です。眼帯と目隠。仲が良さそうですね。

 グロリア――

 少なくとも私は初めて聞く名前です。旧時間軸でも、リルフィ時空でも、聞いたことがありません。いわゆる〝謎に包まれた人物〟です。

 彼女たちには、ニーナ・シトリーさんと白の竜の巫女ニノさんが対応に当たりました。

 ほぼ同時刻に黒の世界の要注意人物である枢要大罪“暴食”ベルゼブブさんも会場を襲撃したため、関係性が疑われています。

 こちらはグレート・ヴェイバトロンに搭乗した、戦斗怜亜さん・雷鳥超さん・獅子島七尾さんが対応に当たりました。

 いずれもその後の情報が回って来ていないため、追ってお伝えしますね。

SSD

[ さめさめだん ] 組織 / 青の世界

 青の世界が革命を成し遂げたことで、人類は自由を手に入れました。

 アドミニストレータ ベガから新たに発令されたルールには、社会へ大きな影響を与えたものもあります。「クローン製造の禁止」が最たるものでしょうか。

 理由はなんとなく分かると思いますが、個人の人権を保証するためですね。

 自分のほかにも自分がいる状況は混沌を生み出します。厳密にはクローンではありませんが、未来世界へ進んだ世羅ちゃんを例に挙げましょう。①本人、②セーラさん(赤)、③シャスターAIの構成要素(青)、④マンモンさん(黒)、少なくとも以上四名が同一人物として知られています。性格も少しずつ異なっていますし、ややこしいですね!

 これが青の世界では歯止めの利かない状態でした。オリジナルXIIIのように十三姉妹と、さらにその予備が平然と製造される事態に陥っていたわけです。人類が消耗品扱いされるのも道理。

 クローンが禁止になるとなにが起きるのか。

 もともと病気とは無縁の医療技術が確立されていましたので、病気・怪我は対処可能。ですが、老衰や事故死はどうしようもないわけです。親族が亡くなった時、青の世界から〝代わりが派遣される〟ことは無くなってしまいました。

 前置きが長くなってしまいましたが。

 クローンが禁止される直前の革命戦では、死傷者も出ているんですよね……。

 結論として、親を失い孤児となった子供たちが発生しました。もちろん戦災孤児の生活は保証されていますが、どんなに訴えても親だけは帰って来ません。

 現代世界や他世界では〝当たり前〟のことも、青の世界に限っては、未だ〝常識じゃない〟んです。

 非行に走ったとして、誰が非難出来るでしょうか。

 許されないとすれば「マミィ・ロングレッグ」なる扇動者でしょうか。

 孤児たちはマーメイドのバトルドレスを奪うと「サメサメ団」を名乗り、小さな身体で大きな力を振るう、ギャング組織と化してしまいました。自由を得るための革命戦で自由を失った彼女たちは、誰よりも自由を求めて暴れ回るのです。

 オリジナルXIIIのプロトタイプとして創られ、人間らしい扱いを受けられない幼少期を過ごしたベガさん。彼女が発令したルールで新たな悲劇が起きてしまっているのは、皮肉なものですね……。

三賢哲

[ さんけんてつ ] 称号 / 赤の世界

 赤の世界の創造を司る科学者。遺伝子工学のエキスパートたちです。

 ブレイバーやギガンティックといった戦闘や破壊活動に特化したゼクスを生み出し、赤の世界を滅亡の淵へ導いた諸悪の根源「三賢者」として恐れられていました。

 新たな生命を創り出す驕りと愚かさに気付き、過ちを認めて以降は「三賢哲」と呼ばれるようになり、壊れた世界の修復に尽力しています。無論、彼らがもたらした悲劇は取り返しの付かないものです。いまだ敵は多く、日常のように生命を狙われています。

 三賢哲のひとり、セーラさんは黒の世界の暴虐に対抗する組織「四世界議会」の発起人です。都城提督の腹心として聖機艦シンセイバーへ乗り込みました。

シャスター

[ しゃすたー ] 技術・技法 / 青の世界

 優秀なコンピュータエンジニア七人によって設計されたスーパーコンピュータです。最高の人工知能、最速の情報処理装置、無限の記憶装置を備えています。

 開発者たちは「アドミニストレータ」を名乗り、姿を見せない管理者として活動してきました。近頃はそうでもないようですが。

 本来の役割は人類滅亡の前にすべての歴史や発明などをアーカイブ(データ保存)すること。ですが、アドミニストレータのリーダー格であるソルさんが〝人類が滅ばない方法(建前)〟〝妹が滅ばない方法(本音)〟を質問したことがきっかけとなり、全人類をアーカイブする解決策を導き出しました。

 シャスターは多数のバトルドレスやメタルフォートレスを支配下に置き、次々に人類を捕獲。記憶をアーカイブした後に邪魔な肉体を廃棄する〝最適化〟を開始します。もちろん、災難を逃れたゼクスたちから大いなる反感を買う結果となり、革命戦が勃発しました。アドミニストレータ カノープスを旗印に、革命軍は現代の少年少女である戦斗怜亜・雷鳥超・獅子島七尾などへ協力を仰ぎ、自由を勝ち取っています。

 首謀者であるソルさんはシャスターが集めた人類のデータから、亡くなった妹の疑似人格を創出。シャスターの後継機であるネオ・シャスターへの実装や、異邦の地である幻夢郷の利用など〝次以降〟の段階も視野に入れていました。しかし、彼の協力者として活動していたアドミニストレータ ベガとアドミニストレータ アルクトゥルスの離反をきっかけに、全知全能たるソルさんの壮大な計画は潰えたようです。

 この辺り、旧時間軸と展開が異なりますね。勝ち馬に乗っただけだろうアルクトゥルスさんはともかく、旧時間軸で目覚めたベガさんの良心が新時間軸にも影響を与えたのでしょうか?

 なお、シャスターをシャットダウンさせたのを最後に廃人と化したソルさんには、妹の疑似人格である数理妖精「ルナ」が寄り添っているそうです。ネオ・シャスターのAIとして利用される直前だったことを、彼女は知っているのでしょうか?

十二星聖

[ じゅうにせいせい ] 称号 / 白の世界

 白の世界のエンジェルたちの中でも、四大天聖が直々に人間から昇華させた、高位の者たち。「十二星聖“天蝎宮”バルビエル」のように、星座の名前を冠しているのが特徴です。

 人間時代の記憶を失くしているものの、四大天聖に認められるほどの極めて高い精神性は〝趣味〟〝性癖〟〝人間時代に抱えていた欲求〟を増長させました。ゆえに、控えめに言って変人ばかりです。

 十二に区分けされたエリアの統治を任され、それぞれがエンジェルやガーディアンの部隊を率いて平和の維持に務めています。そういうことになっているんです。信じてあげてください。

 ちなみに、先日隠居したガブリエルさんの代わりにガムビエルさんが四大天聖へ格上げとなったため、“宝瓶宮”の座は空席となっているようです。

 旧時間軸では「十二使徒」でしたね。なんでも大天使ウリエルのつるの一言により「四大天聖」「終末天聖」ともども、呼び名を変えることになったのだとか。

枢要大罪

[ すうようたいざい ] 称号 / 黒の世界

 殺した相手の寿命を奪い、成長する仮面を持つ黒の世界の代表的種族「ディアボロス」。

 仮面の多くは最初につくられた「真祖の仮面」を模造した劣化品です。その一方、真祖の仮面は〝人間を大罪に導く可能性がある欲望や感情〟の属性を持つ強力なもの。それらの所有者が枢要大罪と呼ばれます。

 彼らは現代世界を含む他世界への侵略に意欲的で、悲劇の大半に関わっていると噂されます。

 新時間軸の黒の世界には未だ暴かれていない謎が多く、当然、彼らについても不明瞭な点ばかり。というか、ほとんど分かっていません。旧時間軸では真祖の仮面を創造した神エレシュキガルの気まぐれにより、「真祖の七大罪」はその存在ごと抹消されていましたから、なおさらです。

 枢要大罪同士で連携を取るなど組織立った動きが見られないのは、不幸中の幸いでしょうか。

 そして、旧時間軸で活躍していた真祖じゃない無印「七大罪」の皆さんも、それはそれでいらっしゃるみたいです。彼らも敵対して来るようなら極めて厄介ですね。

ゼクス使い

[ ぜくすつかい ] 一般名詞 / 現代世界

 五つの世界からゼクスが出現してからしばらく。

 ゼクスへ対抗するためゼクスの力を借りる者たちが現れました。彼らはいつしか「ゼクス使い」と呼ばれるようになります。

 彼らは「カード・デバイス」というカード状のエネルギー発生装置で、ゼクスの活動に必要なリソースを操作します。ブラックポイントから遠く離れるほど各世界のリソースは薄れ、ゼクスの活動範囲が限られてしまうからです。

 このような理由からゼクス使いと利害関係を一致させたゼクスを、パートナーゼクスと呼びます。

 ゼクス使いには誰でもなれる訳ではありません。カード・デバイスを用いたリソースの操作は才能に頼る部分が大きいからです。カード・デバイスの価値も途方もないものでして、一枚で家が一件建つと言われているほど。そのため、カード・デバイスは自衛隊などの国家機関から才能のある者へ託されるパターンが正規ルートとされています。

 もっとも、私が知っているゼクス使いの方々の大半が、水面下で各世界の竜の巫女の皆さんからタダで受け取っているみたいですが。

 カード・デバイスの開発にはアドミニストレータ ポラリス、始まりの竜の巫女エアが関与しています。

千年國

[ せんねんこく ] 組織 / 緑の世界

 九戴龍王チトセが建国した、大樹ユグドラシルの侵食を拒む者たちが寄り添う小国家です。

 チトセさんの没後もその子孫が上に立ち、いつの日か自由を取り戻す理想を掲げて抵抗を続けていました。ですが、四皇蟲ヘルソーンの計略により、紅姫さんの代で一夜にして滅ぼされてしまいます。青葉千歳さんのパートナーゼクスである龍膽さんは、ただひとりの生き残りです。

 一度は地図上から消失した千年國ですが、現代日本に避難して来た緑の世界のゼクスが集結し、再建国を果たしました。北関東に隣接する、福島県南部の辺りですね。自衛隊東北方面隊の隊員も駐屯し、近隣への被害を最小限に抑えるよう連携を図っている様子です。緑の世界のブラックポイントから距離が遠いことを鑑み、「リング・デバイス」を巨大化したようなモニュメントも設置されました。

 紅姫さんの祖先に当たる青葉千歳さんが現当主を務めていますが、これはあくまで名目上のもの。政は九戴龍王優鉢羅、五頭領ウェアタイガー、プリンセス セシリアの三名に加えて、神シャマシュが知恵袋的な役割に就いています。

 よく見てください。シャマシュさんですよシャマシュさん! 神々の中でも人間に理解のある方だとは伺っていましたし、緑の世界のゼクスは性格的に大雑把な方が多いとはいえ、平然と受け入れられているんです。これにはリルフィもどっかん仰天ハンマーですよ。

 和修吉さん率いる「龍王殿」とはモウギや剣聖ソーマに対する思想の違いから対立していますが、黒の世界という滅ぼすべき強敵を前に一時休戦状態。なんでも、緑の世界のブラックポイントの向こう側では大樹ユグドラシルも意味深な動きを見せているようで。

 千年國が黒の世界の牽制、龍王殿が大樹ユグドラシルの動向を監視、という役割分担のようです。

舞鬼

[ だんしんぐおーが ] 組織 / 緑の世界(赤の世界)

 緑の世界と赤の世界が和平を結んだ〝平和の象徴〟として結成されたダンスチームです。

 青の世界との間に結成された「キルクズ・サーカス」に倣い、ホウライの若者がツノの生えたミソスに声を掛けたことで誕生しました。ダンスによる地球の救済を標榜していますが、具体的なビジョンは不明。たぶん考えて無いです。

 千年國をおもな活動拠点としており、黒の世界から襲撃された際には、赤の世界のゼクスであるミソスたちも惜しみなく力を貸してくれます。

 仲良しグループだからこそ「キルクズ・サーカス」のように政治めいた確執が無いのは微笑ましいですね。

治安維持部隊

[ ちあんいじぶたい ] 組織 / 青の世界

 アドミニストレータ ベガが統括する、バトルドレス・メタルフォートレス・キラーマシーン・マーメイドの混成による青の世界の警備組織です。

 以前はジズ・バハムート・リヴァイアサンの三系統しか存在しませんでした。加えてメタルフォートレスとマーメイドも治安維持部隊に所属していませんでしたが、他世界との交戦や「革命戦」を経て組織改編されています。

 指揮系統ごとにリーダーを担うのはオリジナルXIIIの偶数機。奇数機はアドミニストレータの守護がメイン業務で、治安維持部隊からは外されています。原則として、ですが。

 ソルの計画に加担していたType.XIIはリヴァイアサンのリーダーでしたが役職を剥奪され、代わりにソルの守護者であったType.XIIIはカーバンクルへ配属されています。

 新設部隊の「フォルセティ」は現代の少年少女を主力メンバーに据えた特殊部隊で、ベガさんの管轄外。神器と呼ばれる最先端の巨大ロボに搭乗する戦斗怜亜さん・雷鳥超さん・獅子島七尾さんおよび、聖女結界を展開するニーナ・シトリーさんで構成されます。

 近々、フォルセティにはメンバーの増員があるそうですよ。少年少女となると範囲はかなり絞られますが、私たちが知っている子なら頼もしいですね。

部隊名 リーダー 警備範囲 主要メンバー
ジズ Type.II  
ウロボロス Type.IV 宇宙 サテライト
リヴァイアサン Type.VI マーメイド
バハムート Type.VIII  
ケルベロス Type.X 隠密 シャドウ
カーバンクル Type.XIII 超常現象 D・ウィッチ
フォルセティ カノープス,雷鳥超 巨悪 現代少年少女

懲罰委員会

[ ちょうばついいんかい ] 組織 / 異海

 名前だけは耳にするのですが、誰に聞いても全容がつかめません。秘密組織というやつですか?

 傘下に芸能事務所「LiNK」がありまして、アイドルのマネージメントを行っています。皆さんよくご存知の「SHiFT」「iDA」も新時間軸ではすでに結成済。ここに所属しています。大丈夫なんでしょうか。

 財源は宝石業界最大手「ルクスリアグループ」です。

[ 2023.05.18 update ]

 もうちょっとだけ頑張って調べてみました。

 どうやら世界の暗部を暴いて天罰を与える、慈善事業団体みたいです。

 どこからどう見てもどう考えても怪しさ満載なんですけど、アイドルグループ「SHiFT」「iDA」の皆様はやっぱりコレ傘下の事務所に所属していました。大丈夫なんでしょうか。

 メンバーもおおよそ分かってきましたのでメモっておきます。

 善良な方々ばかりではありますね。偉い人を除いては……。

懲罰委員会
赤き懲罰“怒” ロゼット
   
白き懲罰“楽” アドナキエル
黒き懲罰“哀” バンシー
   
偉い人 ニャルラト
芸能事務所「LiNK」
SHiFT プリズム
SHiFT ニュー
SHiFT ミーリィ
SHiFT アグリィ
SHiFT ペクティリス
iDA カナ
iDA アラネ
iDA エンジュ

[ でぃんぎる ] 種族 / 神域

 時間と空間を超越した地「神域(デュナミス)」に棲まう、人類とは異なる文明圏の種族です。

 人間やゼクスからは人型の生命体として認知されていますが、本来の姿は不定です。上位神の意思・方針は絶対とされる階級制が特徴です。

 はるか昔、傍若無人なク・リト「アスツァール」によって滅ぼされた過去を持ちます。そして、唯一生き延びた神キが全身全霊を懸けて創り出した憎悪の塊のような存在が、新世代の神々です。

 先述の出来事から新世代の神々は自分たち以外すべての知的生命体を憎んでいまして、とりわけ、神のひとりが創生に手を貸したとされる「竜域(エネルゲイア)」を逆恨みするようになりました。竜と人類が過ごしている私たちの領域、つまり現代世界ですね。どこに居るのか分からないク・リトより、数十億人規模で繁栄しまくっている〝下位種族〟が目障りなんだと思われます。

 神は竜と人間を討滅するため、竜域のコピーである五つの未来世界を創造。幾度となく滅びのシミュレーションを繰り返した結果、時空に深刻な歪み(ひずみ)が生じます。歪みはブラックポイントを発生させ、五つの世界と竜域(現代世界)を繋げました。以降もさらに歪みは拡がり、ついには憎悪をたたえた神々までもが降臨する事態へ。

 竜と人類、神々の衝突は避けられないように思われました。

 ですが、神々の頂点に立つ絶対神エンリルが人竜討滅の方針を撤回したため、危急の事態は未然に防がれました。一部の友好的な神のみ竜域(現代世界)へ残し、残りは神域へ帰還しています。

 大半の神々が未だ抱える憎悪が消失する訳も無く、争いの火種は潰えていません。絶対神エンリルの心変わりについては、旧時間軸でも起きていたようですね。アイドルイベント「ステラ・リース」にも参加していたくらいですから。ただ、そもそもの心変わりの原因は見当も付きません。竜域の創生に手を貸した神の存在や、ク・リトについて伝える「深・神竜書紀」の文中。〝双神〟のくだりも気になってはいるのですが……。

 神の動向については今後も注視しておきますね。

 余談ですが、項目の途中でも触れた「時空の歪み」が極限まで達した結果、私や皆さんを過去へと飛ばす「時空跳躍」が発生しました。

 私ひとりを移動させた一回目や二回目とは規模が違います。

 わずか一年とはいえ、世界全体がロールバックした訳ですから。

デザイアリンク

[ でざいありんく ] 技術・技法 / 星界

 ゼクス使いとパートナーゼクスの周辺に展開される特殊フィールドです。

 絆で結ばれたふたりの想いが交錯した際に生じ、様々な恩恵をもたらします。

 皆さん記憶を失くしているのに、絆は繋がっているってロマンチックですよね!

 かくいう私も使えるので、時空を超えても先生との絆は失われていないってことですよね!!!!

 エネルギーの根源は不明です。気になると言えば気になりますが気にしません。青の世界あたりで解析が進んでいることに期待しましょう。

TT

[ とらいばるとらんさー ] 称号 / 異海

 道徳観や一般常識の通用しない「ク・リト」を端的に表している姉妹です。

 黒の世界の枢要大罪や守護者殺しと並んで、四世界議会から指名手配を受けました。ク・リトの種族名が世間に浸透していないこともあり、異形の「トライバル・トランサー」という彼女たちの性質を示す二つ名で恐れられています。

 ク・リトが幻夢郷以外で活動するためには依代が必要、という大原則がつきまといます。

 そこで彼女たちは考えました。自分たちのチカラを最も効率的に発揮出来る種族はいないものか、と。

 さらに彼女たちは考えました。竜域と五つの未来世界には様々な種族が集まっているではないか、と。

 姉のアビィさんと妹のベティさんは手当たり次第に憑依を試すと、フルパワーでチカラを振るい、依代を使い捨てる非道を開始したのです。なんだかどこかで聞いたような行動原理ですね。

 皆さんも襲われないよう気を付けてください。

バシリカ・トゥーム

[ ばしりかとぅーむ ] 組織 / 現代世界(黒の世界)

当項目は私の想像と希望的観測に基いて記述されています。ご注意ください。

 悪逆非道を振るう黒の世界にも、裏切り者がいるらしいんです。

 バシリカ・トゥームと呼ばれるレジスタンスの拠点がどこかにあるらしいんです。

 都市伝説のようなもので、いまのところ真相は不明です。

 けど、諦めきれないじゃないですか。旧時間軸やリルフィ時空の黒の世界には、優しく穏やかなゼクスだってたくさんいたんです。彼らの大半は「墓城」と呼ばれる領域にひっそり暮らしていました。

 似たような場所が新時間軸にもあるんじゃないか。

 私はそう信じています。

パニッシャー

[ ぱにっしゃー ] 称号 / 現代世界

 旧時間軸においては、私自身も含む〝異次元からの来訪者〟と定義されていました。

 つまり、新時間軸におけるパニッシャーは、私が知る限り、私ひとりです。

 ですが、懲罰委員会の構成員が「パニッシャー」を名乗っているらしいのです。

 なんか嫌なので、やめてもらえないでしょうか……?

[ 2023.05.18 update ]

 竜の巫女の皆さんも新たな戦闘形態を「パニッシャーフォーム」と名付けたようです。

 カッコイイですもんね! パニッシャー! ……もう、好きにすればいいと思います。

憑依

[ ひょうい ] 技術・技法 / 星界

 四世界議会の発足に前後し、各世界の研究者が共同開発した技法です。

 白の世界のオーラ生命体に着目した青の世界の学問「虚数力学」に、赤の世界の降霊術が組み込まれました。自身の幽体離脱、安全性を鑑み電子化、憑依対象への定着。これらをほぼ同時に行い、ク・リトの憑依に似た状態を生み出します。

 緑の世界の術者に限っては大樹ユグドラシルへの接続により、歴史上の人物を憑依させることさえ可能とするようです。大樹ユグドラシルは魂操作が得意なことで知られる百目鬼きさらちゃんの成れの果てですから、力を貸してくれているのでしょうか。それなら妙に納得出来るというか、なんというか。大樹ユグドラシルや和修吉さん一派は、人類にとって敵なのか味方なのか、よく分かりません。

 上記のややこしい説明からも察して余りありますが、極めて高度な技法なんです。加えて、憑依対象にも頑強な生命力と精神力が必要。誰も彼もが使えるワザじゃないってことですね!

 いずれにしても人道や尊厳を無視し兼ねない技法ですので、四世界議会は極めて限られた範囲に絞り、技法を共有したのですが……。黒の世界の枢要大罪ベルゼブブも使えるんです。何故でしょうね?

 赤の世界屈指のブレイバーである安倍晴明さんもまた、独力でこの技法を行使可能な域へ到達しています。彼女は降霊術の始祖なので当たり前といえばそうなのですが。彼女の場合はク・リトによる憑依と同様、器を選びません。基本的には自身が用意した式札に宿り、式神同然に活動しているようです。

 完全不滅なんじゃないでしょうか。

 TT(トライバル・トランサー)も暴れてますし、もはや憑依憑依の、大憑依時代到来って感じですよ!

 私も先生に憑依したいです!!

ブラックポイント

[ ぶらっくぽいんと ] 一般名詞 / 現代世界

 世界の5ヶ所に突如出現した異世界へのゲートです。

 ドーム型の黒いバリアによって不可侵領域が形成されているため、人間が侵入することはおろか、内部やその先を伺い知ることは不可能とされてきました。その後の研究により、濃密なリソースを遮断する術さえあれば人間でも通行可能であると判明しています。

 ブラックポイントの内部に一歩踏み込めば、現代と未来が混在する歪んだ空間です。未来へ至るにはさらに進んでドームの反対側へ抜けなくてはなりませんが、その間のすべてが〝濃密なリソース〟に覆われているエリアです。長時間留まることは心身へ深刻なダメージを及ぼすため、多少リソースの扱いに長けているくらいじゃ突破は困難。守護結界を展開するゼクスなどの協力が必要不可欠でしょう。

 いちおう、ブラックポイントの出現地点も記しておきます。

 日本の赤の世界と緑の世界のブラックポイントは八大龍王 徳叉迦の秘術で転換されていた時期がありますが、和修吉派閥がモウギへの到達に失敗した時点で、徳叉迦さん自身が元通りに戻しています。旧時間軸では神イシュタルと神ネルガルが〝ゼクスのくせに生意気なー!〟と激怒しながら戻しました。

 すでに完結した出来事であることも含めて、やはり細部が異なりますね。

発生地点(海外) 発生地点(日本)
プレトリア(南アフリカ) 熊本・宮崎・鹿児島の県境→北海道→熊本・宮崎・鹿児島の県境
ワシントンD.C.(アメリカ合衆国) 長野・岐阜・富山の県境
ブエノスアイレス(アルゼンチン) 奈良・和歌山の県境
  東京・神奈川・埼玉の全域
パリ(フランス) 青森・秋田の県境→高千穂→青森・秋田の県境

ペンドラゴン使徒教会

[ ぺんどらごんしときょうかい ] 組織 / 白の世界(現代世界)

 この項目の記述は、やや、気が重く、脱線も多くなりますが……。書きます。

 天使が人類を救済するという教えを説き、急速に信者を増やしている新興宗教団体です。本拠地はアルゼンチン。教祖はアダム・ペンドラゴンという中年男性。大天使ガブリエルの前身ですね。

 日本にもアダムさんの養子にして筆頭宣教師であるニーナ・シトリーさんが布教に訪れたものの、鳴かず飛ばず。信者の獲得は遅々として進みませんでした。日本は無宗教国家なので、やむなしかもしれません。

 その後、拠点の大阪支部は筆頭宣教師代理の肩書きを押し付けられた、黒の世界の魔人であるソリトゥスさんが留守を預かることとなります。ニーナさんは神の討祓戦に参加したり、幻夢郷へ行ったり、青の世界へ飛ばされたりと多忙を極め、宣教どころではありませんでしたから。

 別時空から召喚され、大好きな「先生」を探すあての無い私に声を掛けてくれたのが、ソリトゥスさん。夢リンクの能力であちこち探してくれて、〝先生は召喚されていない〟と判明しました。結論は悲しいものでしたが、ここには温厚なポラリスさんと優しいミカエルさんもいて……。ふたりはいつも難しい話をしていましたが、相談にも乗ってくれて……。とても、とても、心地良い空間だったんです……。いつも怠惰にこたつむりしていたType.XIさんも含めて、皆さんがリルフィを孤独から救ってくれた恩人なんです。

 その後、私は〝別時空の女の子たち〟が多数出現したという話を聞きつけ、青の世界へ。

 ですが、実力不足を疑われ、戦いには加われず。私以外の〝別時空の女の子たち〟が送還されても、私ひとり残されました。居残り授業です。

 釈然としないままプリンセス・マギカ レヴィーと黒崎神門さんたちが戦う様子を見守り――

 気付いた時には新時間軸へ跳ばされていたんです。

 新時間軸における白の世界の一般評価は、恐怖の象徴である黒の世界のゼクスから守護してくれる、神々しい天使が棲まう地。当然、ペンドラゴン使徒教会の人気は圧倒的です。

 筆頭宣教師の座から退いたニーナさんは青の世界へ出向していて、大阪支部にはいませんでした。ソリトゥスさんが留守番していることもありません。仲良くなった商店街の皆さんは、ディアボロスのような私の尻尾を見て、そそくさと逃げて行きます。

 たまたま再会した、ポラリスさんとミカエルさんは、私のことを完全に忘れていました。

 短い期間ながらも、暖かかさを感じていたあの場所は、もう、ありません。

四世界議会

[ よんせかいぎかい ] 組織 / 赤の世界(青の世界・白の世界・緑の世界・現代世界)

 新旧の時間軸でもっとも異なるのが五つの世界の勢力図。

 赤青白緑&現代人vs黒。

 明確に黒の世界が敵視されています。

 そのような風潮から〝みんなで協力して黒の世界をやっつけよう!〟という名目のもと発足したのが四世界議会です。厳密には現代世界も加担しているため五世界議会であるべきなのですが、それだと黒の世界も含みそうでややこしいため、四世界に落ち着きました。

 自衛隊北九州方面隊に在籍しながら数々の武勲を立てて英雄視されている都城出雲さんが議長であり、首魁です。黒崎神門さんに振り回されなければすごい人だったんですね、出雲さん。

 赤の世界のブラックポイントが北海道に存在した当時に知り合った三賢哲のひとりセーラさんが組織の骨子を組み、当時すでに友好的な関係を築いていた青の世界のポラリスさんと白の世界のミカエルさんのふたりに呼びかけ、さらに緑の世界の千年國を巻き込んで成立した流れだそうです。

 四世界議会は青の世界から寄贈された最新鋭の艦船「聖機艦シンセイバー」を拠点として活動開始しました。聖機艦は虚数力学で武装され、マイスターと輝聖がクルーとして乗り込んでいます。緑の世界要素はいまのところ無いようですが、いずれ加わるかもしれませんね。

 最初の大きな仕事は名古屋開催の「四世界サミット」。各世界の問題に取り組み、平和に貢献した現代の人物が「親善大使」として選ばれ、参加することになっていましたが……。

 さっそく黒の世界の勢力に会場を襲撃されてしまいました。

名前 地位・役割
セーラ 会計
ポラリス 書紀
ミカエル 副議長
(空席)  
名前 地位・役割
蝶ヶ崎ほのめ 親善大使
各務原あづみ 親善大使
弓弦羽ミサキ 親善大使
青葉千歳 親善大使

四大天聖

[ よんだいてんせい ] 称号 / 白の世界

 最初のエンジェルこと大天使ウリエルA.T.と、ウリエルさん自らが昇華させた三人のエンジェル(ラファエル、ガブリエル、ミカエル)によって構成される、白の世界の頂点です。

 地上で活動しているラファエルさんを除いた三名の連携により、素晴らしい統治が行われています。

 ガブリエルさんとミカエルさんは仲良しとは言わないまでも互いを認め合っていて、ガムビエルさんも叛逆を起こしていないどころか清らか一辺倒。終末天聖もなんだか協力的な様子。

 旧時間軸のような悲しい出来事は一切発生していません。強いて挙げるなら「カニハザード事件」、「バルビエルファッション大流行事件」、「大天使ミカエルが四世界議会副議長就任記者会見でブーブークッションに座ってしまった事件」くらいでしょうか。だいたい十二星聖のせいです。

 そのうえ黒の世界の脅威から現代世界の人々を守護する余裕まである訳です。五つの世界からどれかひとつの選択を迫られた場合、大多数が白の世界を選ぶでしょうね。

 十二星聖の項目でも触れましたが、大天使ガブリエルが惜しまれつつも隠居生活へ移ることとなり、後任をガムビエルさんが継ぎました。大天使ガムビエルないし、四大天聖ガムビエルと呼ばれるようです。

リルフィ

[ りるふぃ ] 人物 / 別次元

 大きな鉱石の髪飾り、天使の翼に魔人の尻尾、蔦の絡まる機械仕掛けの杖と、特徴的な外観を持つ少女。

 新規能力の開発を目的とする「九頭竜学園」の生徒であり、五つの未来世界が休戦同盟を交わし〝融和〟を果たした「別次元」から学園ごと異世界召喚された。

 同時に召喚された数名の生徒たちの中に慕っている「先生」の姿がなく意気消沈していたが、いつの日か「先生」が迎えに来てくれるのを待ち続けるお姫様ポジションの美味しさに気付いたいまは、前途について深く考えないことにしている。

 いろいろあって、ペンドラゴン使徒教会大阪支部に居候中。青の世界の要人であるポラリス、同じく白の世界のミカエル、黒の世界の凡人ソリトゥスとこたつを囲む日々。厳密には「パニッシャー」のひとりであるが、別次元の歴史に関わるべきでないという独自の考えのもと、様子見を決め込んでいる。

 トゥルードラゴン。

 自分のことを自分で書くのは恥ずかしいので、参考資料から抜粋してきました。この続きは「ペンドラゴン使徒教会」の項目の通りです。「ソトゥミカ放送局」も参考になるかもしれません。

 あと、リルフィはドラゴンじゃありませんから!

リング・デバイス

[ りんぐでばいす ] 一般名詞 / 現代世界

 腕輪型のリソース発生装置です。おもに下記の機能を有しています。

 ①周辺のリソースを検知。索敵にも応用可能。

 ②リソースの生成。パートナーゼクスの出自に関わる色のみ。

 ③リソースの精製。色を持たない状態にする。

 ④空気中に漂うリソースの色を変換。

 ⑤パートナーゼクスとの通信。

 ⑥ゼクスを捕獲・格納・運搬。

 ⑦装着者を虚のさざなみからガード。

 ④については従来のデバイスには備わっていなかったもの。ゼクスは他世界のリソースも活用可能ですが、フルポテンシャルは引き出せません。近頃は複数色のリソースを駆使するゼクスが出現し始めているため、色の変換は画期的な機能と言えます。

 ⑦についても同様です。発生頻度こそ旧時間軸と比べればかなり低いようですが、物理的に防ぐことは出来ず、気力と体力を削ぎ落とす「虚のさざなみ」は極めて危険な自然現象です。虚数力学の確立がごく最近であるため、ガード機能がデバイスに実装されているのは不自然です。

 これらすべての機能をリング・デバイスは高速かつ精密に処理します。

 一般的にゼクス使いがパートナーゼクスへなんらかの干渉を行う際はカード状のデバイス、いわゆる「カード・デバイス」を使用します。純正品・廉価版・海賊版など品質にバラつきはあるものの、例外はありません。

 ですが、青の世界と関係を結ぶことになった各務原あづみさんは、〝何故か〟リング状のデバイスを装着していました。未知のオーバーテクノロジーが詰まっているそれは、青の世界の技術者をもってしても未だ全容が解明出来ていません。ソルさんが健在であれば、あるいは黒崎神門さんが青の世界に関わっていれば、話は違ったはずですが。

 あづみさんやパートナーゼクスのリゲルさんはおそらく旧時間軸の記憶を失っているため、リング・デバイスが異次元からもたらされた技術であることを知る由もありません。

 あづみさんたちの後にも、リング・デバイスを持つ者が各地で発見されています。

 共通しているのは〝いつから所持していたか分からない〟〝疑問に感じたことは無かった〟といった趣旨の発言をすること。そして、多少のトラブルであれば極めて速やかに解決してしまうことです。さも経験済みの出来事であるかのように――

 各世界はリング・デバイスを携えた不思議なゼクス使いを「特異点」と定め、囲い込みを始めました。

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世界観設定 : ブロッコリー