2022.02.22 【 2026.08.25 update 】
星影あやなす花冠(はなかむり)
SHiFTとiDA――星冠巡るライバルたちの物語SHiFTとiDA――星冠巡るライバルたちの物語
Illust. 芹野いつき
この物語は2022年2月に販売されたCD商品、Z/X iDOL project Album「Make your "HAPPY"」収録のZ/X DramaCD20「星影あやなす花冠」台本を転載・調整したものです。
叙述や描写が音源向けであることを予めご了承下さい。
01ショッピングモール
街の雑踏と喧騒
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すっごい可愛いくない!? ほら、あのTシャツ! |
![]() | まりえちゃんに似たなにかを感じるデザインですね……。 |
![]() | 試着してみよ、アグリィ! |
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わわ……。 引っ張らないでください~。 |
![]() | 相変わらず、あのおふたりは仲がいいですね! |
プリズム 荷物を抱え直す
![]() | よいっ……しょっと。 |
![]() | あんたはあんたで、なにをそんなに買い込んでるのよ。 |
![]() | 妹のロゼットさんへ送るおみやげです! |
プリズム よろける
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にしたって買いすぎ。 ふらふらしてるじゃない。 少し持つわよ? |
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いえいえ。 これくらい平気へっちゃらです! |
| たまのオフを利用して、今日はみんなでショッピングモールへ遊びに来ました。お忍びですので、それぞれ舞台上とは異なる衣装と、眼鏡や帽子などで変装しています。 | ![]() |
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じゃーん! どう? 可愛い? |
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どう……でしょうか? ちょっぴり恥ずかしい、です……ケド。 |
![]() | おふたりとも、とってもお似合いですよ! |
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特にミーリィの場合は、なに着てもね。 はいはい可愛い可愛い。 |
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おっ。 分かってるじゃん。 |
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なんだかんだ付き合い長いから、学習したわ。 あしらい方なんかは、特にね。 |
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みんな~。 分かってると思うけど、あまり目立つようなことしないでね? |
![]() ![]() ![]() | はーい。 |
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ミーリィちゃんは、特に、だよ? あれだけ言ったのに、変装して来ないんだから。 |
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そりゃしないよ。 変装なんかしたところで、どうせあたしの可愛さは隠し切れないもん。 |
| ユニット結成当時に比べて、わたしたちはだいぶ打ち解けた気がします。このまま何事もなく、みんな一緒に成長していければ良いのですが。 | ![]() |
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はわわ……。 結局、おそろいのTシャツ、勢いで買ってしまいました……。 ペアルックなんて、なんだかデートしてるみたい、です……ケド。 |
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みんなはデートってしたことある? 巫女服とサングラスで遊びに来るようなニューは聞くまでもなく、ないか。 |
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わ、悪かったわね、一般常識とズレてて……。 どうせ初恋も未経験よ。 幼い頃からトレーニングひとすじだったから。 |
![]() | いつも既読スルーしてる、〝アルなんとか〟って人と、実はいい仲だったりしないの? |
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やめて。あの人は恩人ってだけで、そういうんじゃない。 ミーリィこそどうなの? そんだけ可愛いなら、さぞかし経験豊富なんじゃない? |
![]() | 元、お嬢様でもありますし、引く手あまただったんじゃないでしょうか! |
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元、お嬢様云々はそう聞いてるってだけ。 エンジェルになると、人間だった頃の記憶が無くなっちゃうから。 性格もいまと正反対だったらしいよ? もしかすると初恋くらい、あったかもね~。 |
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その見た目で控えめな貴族令嬢だったってことよね。 うっわあ。……ずる。 |
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初恋……。 あたしの場合は……。 みなさん、〝スパイトマリス〟ってグループはご存知ですか? |
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知ってるよ。格好いい男の子ふたり組の、デスメタルユニットだよね? 懐かしいなあ。八宝美神の新規メンバーとしてデビューしたフェスで、緊張するわたしを激励してくれたんだよ。 |
![]() | 羨ましい! 実はあたし、あのふたりを知ったのが、アイドルの追っかけを始めたきっかけなんですケド。とはいえ、いまや推しアイドルはいっぱいいますし、初恋とは違ったのかもしれません。言うなれば憧れでしょうか。当時は絶賛引き篭もり中だったあたしがミーリィちゃんと待ち合わせて、生のステージを見に行くほどハマってました。スパイトマリスはもちろん、たくさんのアイドルを肌で感じられて、ほんと素晴らしいフェスでしたよ! ふんすふんす。 |
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語りモードのアグリィだわ。 それだけ価値のあるイベントだったって伝わってくる。 |
![]() | なにを隠そう、プリズムさんはそのフェスの最前列で、熱烈なコールを送っていました! |
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そういえば、あのフェスについて教えてくれたのはプリズムさんでした。 あたしとしたことがノーチェックだったんです。 |
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ということは……。 アグリィちゃんとプリズムさんは以前からお知り合いだったんですか? |
![]() | アイドルの追っかけ仲間として、何度か情報交換したことがありましたね。 |
![]() | あたしはおうちで鑑賞する派、プリズムさんは参加する派だったので、直接会う機会はありませんでした……ケド。 |
![]() | それがいまや、一緒のユニットを組んでるんですから、不思議なものです。 |
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あたしがアイドルについてちゃんと知ったのも、あのイベントが初めてなんだよね。 アグリィとの文通には、アイドルがどうたらしょっちゅう書かれてたけど、ぜ~んぜん興味なかったし。 |
![]() | が~ん。 |
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でも、アグリィが一緒に行こうって誘ってくれて。 イベントに参加してみて。アイドルになってみようかなって考えた。 少なくとも、新しい可愛さを追求するきっかけになったのは間違いないかな。 |
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なによ。 みんなあの場にいたんじゃない。 私はもちろん遊びじゃなくて、後学のために行ったのだけど。 |
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えっ。 そんなカッコで? |
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ち、違うわよ。 今日はたまたまコーディネートをミスって巫女服だけど、あの日はイブニングドレスを着て行ったわ! |
![]() | もっとダメじゃん。 |
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う、うるさい。 ともかく、私も参加してたのよ。 |
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そしたら、新人アイドルのペクティリス沼にハマっちゃったんですね。 うんうん。その気持ち、分かります! |
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まあ、そうよ……。 間違ってはいないわ。 |
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そうなんだ~。 わたしのこと、最初から見ててくれたんだね。 |
![]() | は、はい……。 |
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顔まっか。 案外これがあんたの初恋なんじゃないの? |
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茶化すな! 私とペクティリスさんの関係は、もっと神聖なものなんだから! |
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わっ! あぶないよ! 急に暴れたら……。 |
ニューとプリズム 接触
![]() ![]() | あっ。 |
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わったったっ。 ああああああああーーーー! |
| 振り回したニューさんの腕がプリズムさんに当たり、荷物をかばったプリズムさんは転んでしまいました。 | ![]() |
プリズム 転ぶ
![]() | ずべしゃ。 |
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ご、ごめん、プリズム。 悪かったわ。 ……立てる? |
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はい! 大丈夫です! いつものことですから! ロゼットさんへのおみやげも守りきりましたよ! |
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あ~。 それなんだけど、守りきれてないかも……。 |
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ああああああああーーーー!? ひとつ、転がってってる! |
プリズム 走る
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待ってーーーー止まってーーーー! ぜぇはぁ……。ぜぇはぁ……。 |
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あらあら。 聞いていた通りのうっかりさんね。 |
エンジュ ビンの小物入れを拾い上げる
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よいしょっと。 探しものは、これかな? |
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あわわわ……。 どなたか存じませんが、拾ってくれて、ありがとうございます! ……あれ。いま〝聞いていた通り〟って? |
![]() | プリズムさんと、SHiFTの皆さんね? |
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はい。 そうですけど……。 |
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わあ……。 ミーリィちゃんって、お写真で見たのより、も~っと、ず~っと、可愛いの! |
ニューとミーリィ ひそひそ
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やば。 私たちの正体ばれてるわ。 ミーリィ、あんたが変装するの嫌がったせいよ。 |
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え~。 それ言うなら、プリズムは変装関係なくバレてたじゃん。 あと、ニューだってあたしが用意したカイザーひげつけるの、抵抗したよね? |
![]() | あんなもん、つけるか! |
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ねえねえ、ミーリィおねーちゃん。 りあと、お友達になって欲しいの。 |
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お友達? べつにダメとは言わないけど。 |
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やったの! ぎゅー。 |
カナ ミーリィに抱き着く
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あたしが可愛すぎて抱き着きたくなるのも仕方ないけど、少しくっつき過ぎかな。 ファンなら自重しなくちゃ。 |
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えへへ~。 おんなじ鳥の翼持ちとして、いちばんのお友達になりたかったの! ぎゅー。 |
![]() | いちばんのお友達……? |
![]() | んと、そういうのなんて言うんだっけ? |
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親友、かな。 もしくは、マブダチ。 |
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それなの。 ミーリィおねーちゃんの、おマブダチになりたいの! |
![]() | マブ……!? |
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えへへ~。 ぎゅーっ。 ぎゅーっ。 |
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ちっちゃい子に懐かれるのは慣れてるけど……。 ねえ、ちょ~っと落ち着こう? |
カナ ミーリィに激しく抱き着く
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な、なんなのこの子。胸が……。 子供のくせに胸が大きすぎて、息が……。 |
カナ ミーリィにもっともっと激しく抱き着く
![]() | あっこれ洒落になんない意識落ちるお花畑見えてきた離してギブギブ誰か! |
![]() | あのミーリィさんが勢いに押されています! |
![]() | わたし、海亀の産卵シーンくらい貴重なシーンに立ち会ってる気がするよ! |
![]() | だずげで。 |
![]() | ミーリィちゃーーーーん!? |
| その後。背中に小さな翼を生やした女の子の力強いハグから、ミーリィちゃんはなんとか解放されました。 | ![]() |
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はぁ……。はぁ……。 死ぬかと思った……。 |
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あんまり馴れ馴れしくしたらダメよ。 ライバルなんだから。 |
![]() | はーい。 |
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さすが先輩アイドル様は余裕ね。 ショッピングモールでのんびり遊んでるなんて、お気楽にも程があるわ。 |
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なんなの、あんたたち。 ライバルってことは同業者かしら。 なにしに来たのよ。 |
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もっともな疑問ね。 親切なうち……じゃなくて、私が答えてあげるわ。 |
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そうッ! なにを隠そうッ! 私たちはッ! |
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3人でお買い物に来てたの。 会ったのはただの偶然なの。 |
![]() | 私たちのこと、とやかく言えないじゃない! |
![]() | 余計なこと言わなくていいの! |
![]() | ありゃ。 |
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改めてお伺いします。 わたしたちに、ご用でしょうか? できれば、自己紹介からお願いしたいのですが。 |
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んとね。 りあは、カナっていうの。 |
![]() | お姉さんは、エンジュよ。 |
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うち……じゃなくて、私はリーダーのアラネ。 ステラ・リースは私たちがもらうから。 首を洗って待ってるといいわ。 |
アラネ 人差し指を突き付ける
![]() | せいぜい恥をかかないようにね! |
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アラネ? ……よく見れば、シュピーネ様じゃないですか。 |
![]() | な、なんのことかしら? |
![]() | 墓城七姫、二の姫の。 |
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三の姫よ! あんな変態とうちを間違えないでくれる!? |
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あっ。はい。すみません。 ……お久しぶり、です……ケド。 墓城城下に住まわせてもらってるアグリィ、です。 |
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(うぅ) (実家にいた頃とは見違えるくらいお洒落して来たのに、あっさりバレるなんて想定外……) |
アグリィとアラネ ひそひそ
![]() | ……あの、シュピーネ様? |
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しーっ! しーっ! 内緒にしてるんだから! うちの名前はアラネ! いい!? 分かった!? |
![]() | あっ。はい。察しました。 |
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さっき、〝ステラ・リース〟……って言ってましたよね。 なんのことか知ってます、ペクティリスさん? |
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マネージャーから軽く聞いてるよ。 どこかの大企業が出資する、アイドルの頂点を決めるセレモニーが行われるって。 |
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ふ~ん。 そんなのあるんだね。 ぶぇ~つに~。どぉ~でも~。い~けど~。 |
![]() | 予選ブロックでデビューする、新進気鋭のアイドルグループがあるとも。 |
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そうッ! それが、うち……じゃなくて、私たちよ。 覚えておくことね。iDAの名をッ! |
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という感じなので、これから、よろしくしてね。 お姉さん個人的には、特に……プ、リ、ズ、ム、さん。 |
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えっ!? は、はい! よく分かりませんけど分かりました! |
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ばいばい。 またねなの! |
iDA 立ち去る
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つまり、挑戦状を叩きつけられたってことかな。 ステラ・リースについてはオフが明けたら説明するつもりだったけど。 ……気を引き締めなくちゃね。みんな、頑張ろう! |
![]() ![]() ![]() | おーっ!! |
![]() | は~い。 |
| これは、アイドルユニットiDAがデビューする、少し前のお話。……そして、月日は流れます。 | ![]() |
02SHiFT控室 ▶
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ついに予選ブロックが開催されてしまいました! ……です! |
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SHiFTの未来が掛かってますからね。 応援してくれるファンのみなさんやどこかで見てる妹のためにも、気合入れますよ! |
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そうだね。 ステラ・リースは今後、アイドルの登竜門になるって言われてるから。 決して避けては通れない。 |
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いっぱい人いましたね……。 あれ全部、参加者でしょうか? |
![]() | 出身、性別、構成、実績、リアル・バーチャルすべて不問だなんて、デススミス商会とかいう企業も酔狂なことするものね。 |
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予選を通過できるのは、わずか10組……。 ガクブルします! |
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プリズムさんは一周回って、ウルトラリラックスですよ! 矢でも鉄砲でも持ってこーいって感じです! |
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フラグ立てるのやめなよ。 ドジってもフォローしないからね? |
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わひゃ!? い、いま、モニターにスパイト・マリスのおふたりが映ってませんでしたか!? さ、サイン欲しいです……。 |
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どうやら名の通ったアイドルがちらほらいるようね。 ……ん? |
ニュー 頬が緩む
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サーティーンじゃない。 強敵だわ。 |
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ウェアキャットちゃんたちまでいる。 五頭領はいつアイドルになったんだろう。 本来のお仕事はいいのかな? |
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おっ。 ウワサのiDAもお出ましだね。 |
![]() | これがデビューステージになるんですよね……。 |
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そう。 だから、彼女たちのデータはほとんどない。 |
![]() | モニター越しですけど、注目ですよ! |
iDA 「Make your wish come true」 イントロ
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うそ。 なんなの。 あの声の伸び、振り付けの練度、3人の息! |
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聞き入ってしまいます。 没入感がすごい、です……。 |
![]() | 初舞台のアイドルとは思えないですね。 |
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強気なリーダー気質のアラネちゃんをセンターに置いて、明るく元気なカナちゃんと、大人の魅力を醸し出すエンジュさんが両サイドを固めるフォーメーションだね。 ぱっと見、非の打ち所がないよ。 |
iDA 「Make your wish come true」 フェードアウト
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審査員の評価、ほぼ満点じゃん。 余裕の1位通過。 |
![]() | 思わぬ強敵、です……。 |
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プロデューサーのルクスリアさんに、マネージャーのニャルラトさん。 業界では無名だけど、何者だろう。 |
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あ、あの! SHiFTも予選から全力でいきましょう! |
![]() | 言われなくてもそのつもりよ。 |
![]() | プリズム、やけにテンション高いよね。 |
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あはは。すみません。 妹から久しぶりに連絡があったもので……。 会場のどこかで見てるらしいんです! |
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ああ。 さっき〝どこかで見てる妹のためにも〟って言ってたわね。 |
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本戦はともかく、予選会場は参加者と関係者しか入れないはずだよ。 妹さんって、どんなお仕事してるの? |
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ロゼットさんは美味しいお菓子の衛生兵として、最前線で活躍中です! 自慢の妹なんですよ? おやつの差し入れに来たんでしょうか。 |
チャイム
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はわっ。 お呼びが掛かりました! |
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んじゃ、サクッと1位の点数を塗り替えよっか。 満点評価でね! |
![]() | みんな、張り切っていくよ! |
![]() ![]() ![]() ![]() | おーっ!! |
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(身体が軽い。最高に調子が良いです) (きっとロゼットさんが近くで見てくれているからですね!) |
ニューとプリズム ひそひそ
![]() | プリズム。 |
![]() | (お姉ちゃん、ここまで来れましたよ!) |
![]() | プリズム! |
![]() | あ、はい? |
![]() | それ……2サビの振り付け。 |
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あれ? いま……1サビ……。 ええーーーーっ!? |
![]() | バカ。取り乱すな! |
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(えーとえーと) (どうすれば軌道修正が……。右足を引っ込めて左足も引っ込めて1回転の間に……) (ひゃっ。足がもつれて!?) |
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わったったっ。 ああああああああーーーー! |
プリズム 転ぶ
![]() | ずべしゃ。 |
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なにやってんの、プリズム? そんなにビックリしなくたっていいじゃん。 いくらあたしが可愛い過ぎるからって! |
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はい! 会場のみなさんもコールお願いしますね! プリズムさんの有り余る元気に負けないくらい! |
スタッフ どよめきと笑い
ミーリィ 窓を閉める
![]() | いまにも雨が降りそう。 |
![]() | プリズムさん、戻って来ませんね……。 |
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予選会場にはスタッフと出場者だけ。 熱心なファンはいないのだから、気付かなかったフリをすべきだった。 プリズムの反応をシミュレーションしきれなかった、私の判断ミスよ。 |
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あたしも情けないです。 自分のことに精一杯で、トラブルに気付けませんでした……。 |
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べつにいいじゃん。 あれがSHiFTの芸風ってことで。 ステラ・リースはなんでもアリらしいし? |
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芸風ってなに。 私たち、アイドルユニットなのよ? |
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お笑いユニットじゃなかったっけ? ぷっぷくぷ~。 |
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……ったく鬱陶しい。 あんたのおふざけに付き合ってる心の余裕はないの。 いまは予選を突破できるかどうかの瀬戸際なんだから。 |
![]() | お察しの点数でしたもんね……。 |
ペクティリス 扉を開けて入室
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ラストグループの審査が終わったよ。 わたしたちは10位。 |
![]() | ギリギリセーフか~。 |
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審査員のひとりでもあるバーベナさんに聞いてきたけど、落選でもおかしくなかったって。 トラブルからのリカバリーを評価されて、なんとかってところだよ。 |
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良かった……。 いえ、全然良くありません。 反省を活かして、次はもっといいものを披露しないと、です。 |
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……ええ。 そうね。 |
プリズム 扉を開けて入室
![]() | ただいま戻りました。 |
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プリズムさん。 ……大丈夫ですか? |
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あんた顔色悪いわよ。 早く休んだ方がいいわ。 |
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気にし過ぎないでね。 来週の本戦に向けて頑張ろう! |
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……あはは。私、落ち込んでますか。 実はある人に怒られちゃいました。私がみなさんの足を引っ張ってるって。 そう、ですよね……。 |
![]() ![]() | …………。 |
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まっ。 そ~だね。 |
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こら。 ミーリィ! |
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事実じゃん。そりゃあ努力してるのは知ってるよ? あたしなんかよりずっとね。 だけど、プリズムのドジは努力でどうこうなるもんじゃないし、きっとこれからもSHiFTに付きまとう現実だよ。 |
![]() | はわわ。 |
![]() | そんなプリズムを真っ先にサポートしたあたし、可愛いくない? |
![]() | 結局それか! |
![]() | 想定外の事態で注目されてんのに、利用しない手はないもん。 |
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〝トラブルこそチャンス〟か……。 あんたらしい。 |
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反省なら、気が済むまですればいい。 ドジを誤魔化す手段を考えたいなら、それも好きにすればいいよ。 だけどもし、現実と向き合うのが嫌になったなら―― |
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やめれば? アイドルなんて。 |
![]() | はい。 |
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ちょっ。 なに言ってんの。 プリズムも〝はい〟って! |
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ずっと目を背けていました。いつも皆さんに甘えてきました。 考えてはいたんです。このままじゃいつか致命的なミスを冒してしまうって。 それが、今日でした。 |
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り、リーダー。 あたしたちどうすれば……。 |
![]() | …………。 |
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私だけ批判されるならいいんです。 けど、皆さんそれぞれが自分の夢を叶えて、憧れのアイドルになれたんですよね。将来の展望があるんですよね。だったらこれ以上、迷惑を掛けるわけにはいきません。 |
![]() | 迷惑だなんて。そんな! |
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ステラ・リースは最後までやり遂げます。 みなさんの頑張りは無駄になりませんし、させたくありません。 けれど、その後は―― |
ニュー 机を叩く
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私は認めない。その先を口にしたら、絶対に許さないから。 あんたはそれで気が済むかもしれないけど、私たちは違う。惑わせないで。将来の展望も無く、次がフィナーレなんて決めてるヤツが隣にいて、本戦ブロックをモノにできると思うの? |
![]() | それは……。 |
![]() | 不愉快。 |
ニュー 扉をけたたましく閉めて退室
![]() | 分っかりやす~。 |
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えと……。あの……。 うまく言えませんけど、あたし……。 プリズムさんのいないSHiFTなんて嫌です。ダメです! |
![]() | アグリィさん……。 |
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枝葉を伸ばす先は自ら選ぶべき。 リーダーとして言えるのは、これだけ。……だけど、独り言も言うね。 SHiFTのムードメーカーがいなくなったら、わたし、困っちゃうなあ。 |
![]() | ペクティリスさん……。 |
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あれ? SHiFTのムードメーカーってあたしだよね? |
![]() | えっ。 |
![]() | えっ。 |
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あの……。 ミーリィちゃんはマイペース過ぎるので、ムードメーカーというよりは……。 |
![]() | ムードブレイカーってって感じですね。 |
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ほんとだよ。 もっと協調性を持ってくれないと。 |
![]() | なんで一転してあたしを責める流れになってんの? |
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あはは……。 シリアスムードがすっかり壊されちゃいました。 |
![]() | 出会ってすぐ、プリズムさんは〝夜空に輝く星のようになりたい〟って言ってたよね。 |
![]() | はい。 |
![]() | いま、夜空の星はどう映ってる? |
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そうですね……。 遠いです。 とんでもなく遠くて、厚い雲に覆われていて……。 |
プリズム 手を伸ばす
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なのに、以前より眩しい。 望遠鏡で眺めていただけの頃とは違って、手を伸ばせばその輝きに届くってことも、知りました。 |
![]() | その星、あたしだよ。 |
![]() | ミーリィちゃん、いまはムードブレイクしちゃダメです。 |
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私だって生半可な気持ちでアイドルを目指したわけじゃありませんから。 第三者に正論を説かれ、揺れたとしても、輝く星をこの手に! |
![]() | それが未来の展望かな? |
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はい。 流石に今回のミスは痛恨だったので、そうそう吹っ切れそうにはありませんが……。 戒めにしたいと思います。 |
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なにかあったらフォローするよ。 暗雲に阻まれたって少しずつみんなで進んで行くよ。 それがユニットなんだから。 |
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〝引退する〟なんて言わなくて良かったです。 言ったら取り返しのつかないことになってました。本当に良かったです。 振り回してしまってごめんなさい。 |
プリズム 涙を拭う
![]() | ニューさんにも謝らないと、ですね! |
03iDA控室 ▶
![]() | お疲れ様。 |
![]() | まずは予選1位通過を祝して。 |
![]() ![]() ![]() | かんぱーい! |
iDA グラスを合わせる
![]() | とっても楽しく歌えたの。 |
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ずるいったらないわ。 カナもエンジュも、全っ然っ緊張してないんだもの。 ステージに上がった直後、うちひとりガチガチでどうしようかと。 |
![]() | カナちゃんに手をつないでもらって緊張が解けたかしら? |
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まーね。 感謝してるわ。 |
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どういたしましてなの。 ほんとはハグしたかったの。 |
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あれはやめて。 ……しっかし。 SHiFTはイマイチだったわね。 |
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ええ。 可哀想に。 |
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来たるステラ・リース本戦の栄誉は私たちiDAが頂く。これは目標じゃない。予告よ。 特にSHiFTは首を洗って待ってることね! |
アラネ 人差し指を突き付ける
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……って、したり顔でコメントするつもりだったのに、すっかり言いそびれたわ。 事務所の意向でライバル視してるけどさあ。 |
![]() | 全員、上手ではあったわね。 |
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個人のスキルだけ高くてもダメよ。 ユニットなんだから。 |
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うみゅ。 プリズムおねーちゃん落ち込んでたの。 |
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引きずらないといいけど。 そうじゃないと張り合いが無いもの。 |
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表面上は持ち直したとしても、内心ズタボロの可能性もあるわ。 不安や嘆きをひた隠し、笑顔を振りまく代償は、人間らしい心……。 |
エンジュ 髪を振り乱す
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嗚呼。なんて怖いところなのかしら。 アイドル業界! |
![]() | むしろあんたが怖いわ! |
![]() | お姉さんたちも足元をすくわれないよう、気を付けないと。 |
![]() | うちはこんな序盤で立ち止まるつもり、1ミリもないわ! |
![]() | りあも、迦陵頻伽おねーちゃんたちをライブに招待できるくらい立派になりたいの! |
![]() | カナちゃんって、アラネちゃんやお姉さんのことも〝家族〟って呼んでくれるけど、本当のご家族のこと、とても大事にしてるわよね。 |
![]() | りあは家族みんなのためにアイドルになったの。 |
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うちとは似て非なる事情のようね。 この際だから、ふたりがアイドルを目指したきっかけとか、ちゃんと教えてもらってもいい? |
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そうね。 良い機会かもしれないわ。 |
![]() | りあは6人姉妹の末っ子なの。ひとつ上のセマルグルおねーちゃんと、みっつ上の迦陵頻伽おねーちゃん、博士の4人で暮らしてたの。生まれたばかりのりあは透明なカプセルに入れられてて、おねーちゃんとのおしゃべりが好きだったの。 |
![]() |
おうたを教わってからは、おうたも好きになったの。 博士も〝上手ね〟ってほめてくれたの。 |
![]() | 歌が家族の絆なのね。 |
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だけど、家族がバラバラになっちゃった。 博士は〝みんな立派に戦って死んだ〟〝赤の世界の現実だから受け入れろ〟って。 |
![]() | もしかして、博士とふたりきりに? |
![]() | 博士も研究所の火事で、りあの身代わりになって死んだの。 |
アラネとエンジュ ひそひそ
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どうしよう。 メチャクチャ重いわ……。 |
![]() | やけにスキンシップが激しいのは、愛情に飢えていたからかしら……。 |
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灰になった博士はお空へ飛んでったの。 りあはショックで、思うようにおこえが出なくなって。 大好きなおうたも全然歌えなくて。 |
![]() |
カナァァァァ! うちの胸で泣いていいのよ! |
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その幼さで天涯孤独だなんて、非道い話ね。 増殖する植物が人類や動物を間引きする緑の世界なら珍しくないけど……。 比べちゃダメよね。環境が違うもの。 |
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くすん……。 心の傷を克服して、よくアイドルになる領域まで辿り着いたものね。 素直に尊敬するわ。 |
![]() | おねーちゃんに会ったら治ったの。 |
![]() | おねーちゃん、生きてたんかい! |
![]() | 5人とも。 |
![]() | 全員かーい! |
![]() | 夢でりあを励ましてくれたの。 |
![]() | ……夢。 |
![]() | セマルグルおねーちゃんとシェリーナおねーちゃんのお歌はすごくかっこ良かったし、博士が石灰とニトログリセリンからつくってくれたカルボナーラスパゲティはすっごく美味しかったし、迦陵頻伽おねーちゃんとの漫才もすっっっごく楽しかったの! |
![]() | 石灰? |
![]() | ニトロ? |
![]() | 胡喜媚おねーちゃんと緊那羅おねーちゃんの〝まひるのじょうじ〟? 〝しゅらば〟? は、りあには難しかったの。 |
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ええっと……。 とてもいい夢を見られたのね! |
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あれはただの夢じゃないの。絶対に生きてるの。 りあがアイドルになって目立てば、きっと見つけて、会いに来てくれるの! |
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そ、そうね! きっと見つけて、会いに来てくれるわ! |
エンジュとアラネ ひそひそ
![]() |
お姉さん、思うのだけど。 いまのお話って、カナちゃんの願望が見せた、白昼夢や幻想じゃないかしら。 |
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うちも思った。 天に召された博士が出て来たし。 化学薬品が美味しいとか、言ってることも支離滅裂。 |
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だとすると、なかなかに厳しいわ。 たとえ声は戻っても、心の傷は癒えてないってことだもの。 |
![]() | 事実を知った時、うちら大人がフォローできるよう身構えておかないと。 |
![]() | 本当のご家族の代わりに―― |
![]() | ふたりとも、内緒のお話なの? |
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なんでもない。なんでもないわ! あー。仲が良さそうで、うらやましいったら。 うちんとこの姉妹とは180度違うんだもの。 |
![]() | アラネおねーちゃんとこは、仲悪いの? |
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険悪ってのとも違うけどね。 互いを尊重しないというか、逆に尊重し過ぎてるっていうか。 愚痴代わりに話すわ。 |
![]() | どうせバレるから先に言っちゃうけど、うちは虚栄心の塊よ。 |
![]() | きょえーしん? |
![]() | 見栄っ張りってこと。 |
![]() | 〝ビッグになって見返したい〟って、いつも言ってるわね。 |
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うち、昔っからコツをつかむのは得意で。大抵のことは見ただけでできるようになるわけ。 とはいえ、良くて「中の上」止まり。無意識のうちにゴールを決めちゃう。ココまでやれば十分ってラインを。 |
![]() | 飽きっぽいってことかしら? |
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そうね。情熱が失せる。 だから、なにをしても中途半端で器用貧乏。 それでも、熱心に打ち込めるナニカを探して、片っ端から手を付けた。 |
![]() | どんなことしたの? |
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魔導・錬金・料理に絵画。華道・茶道・書道に武道。乗馬・水泳・射的に宗教。 とにかくいろいろよ、いろいろ。 |
![]() | 以前、黒の世界に紛れ込んだ時、シュピーネって名前の危険な武闘派少女の噂を耳にしたわ。 |
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アレにはほんっと迷惑してるのよね。 空手をかじった時、妹が面白半分で言いふらしてさあ。 ……って、聞き流すところだったけど〝黒の世界に紛れ込んだ〟って、どゆこと? |
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ふふっ。 お姉さんのターンが来たら話すわ。 |
![]() |
あと、うちの本名がシュピーネってこと、秘密にしてよね。 仲間だから教えたけど、アイドルのアラネとイコールって、実家バレしたくない。 |
エンジュとカナ ひそひそ
![]() | きっと、ご家族にはバレてると思うわ。 |
![]() | なの。 |
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とにかくカネとコネだけは無尽蔵にあったから、望めばなんでもやらせてもらえた。 ただ、姉妹がうちを見る目も冷ややかになるわけ。〝次は長続きするといいね〟なんて。 んなもん、絶対見返してやるっての! |
![]() | そしてついに、情熱を注げるものを見つけたのね。 |
![]() | アイドル! |
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まじ震えたわ。 うちと同年代の女の子が、うちのハートを揺さぶった事実に! ……あ。そいつの名前、ペクティリスって言うんだけどね? |
![]() | SHiFTのリーダーなの。 |
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情報誌を買い漁り、ライブのムービーを見て、通信教育も受講した。 誰にも知られないようにするの、ほんっと大変だったんだから! |
エンジュとカナ ひそひそ
![]() | 間違いなく、ご家族にはバレてると思うわ。 |
![]() | なの。 |
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んで。社長にアイドル事業を始めるよう提案したのよ。女性の魅力を追求する〝ルクスリアグループ〟のトップが、たまたま実家を訪れる機会があってね。 〝うちをアイドルにして!〟って頼み込んだ。 |
![]() | すごい行動力ね。 |
![]() |
まったくだわ。 世間知らずが、初対面の起業家にお願いする内容じゃないっての! 真面目に話を聞いてくれたうえ、オシャレのノウハウまで伝授してくれたルクスリアさんには感謝しかない。 |
![]() | でも、その暴挙があってこそ。 |
![]() | りあやエンジュおねーちゃんにも、お呼びが掛かったの。 |
![]() | お姉さんは一度断ったんだけどね。 |
![]() |
そうなの? じゃあ、最後はエンジュの番ね。 あんたいろいろ秘密が多いんだから、この機会にぱーっとバラしちゃって! |
![]() | エンジュおねーちゃんはミステリアスなの。 |
![]() | うふふ。 |
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リクエストにお応えして。 とっておきの秘密から打ち明けるわ。 |
![]() | わくわく。 |
![]() | お姉さんは緑の世界のホウライって種族なのだけど、最大の特徴であるツノがないの。 |
![]() |
ん? ああうん。 そうなのね。 |
![]() | ピンと来ないかもだけど、ホウライにとってツノは大事なものよ。 |
![]() | りあの翼みたいな? |
![]() |
なにかの役に立つものではないし、ちょっと違うわ。 あれは植物の侵食に打ち勝った名残。 誇りだから。 |
![]() | 難しそうなお話の気配なの。 |
![]() |
緑の世界では大樹ユグドラシルが絶対。 そして、とんでもない生命力で繁殖する植物とどう向き合うかが、人類に突きつけられた命題。 ぼーっとしてると住処や食べ物どころか、自身も蹂躙されるわ。 |
![]() | ちょっと、想像つかないわね。 |
![]() |
人類が導き出した答えは、大きく分けてみっつ。 1,すべてを受け入れて大樹の一部となる。 2,徹底抗戦するため獣のチカラを手に入れる。 |
![]() |
3,植物と共存する道を探る。 これがホウライ。昆虫と植物ふたつの特性を持つ生物の因子を取り込んで、植物の侵食に対する免疫機能を持たせるの。 |
エンジュ 頭に両手の人差し指を立てる
![]() | すると、枝のようなツノが生えて来るわ。 |
![]() |
うえ……。 植物はともかく昆虫のエキスを注射するの? |
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実際にやったのは、はるか昔のご先祖様よ。 免疫機能は遺伝する。 そして、世代を超えて伸び続けるツノは、耐え難い激痛を伴う。 |
![]() | 痛いの痛いの飛んでけなの。 |
![]() | そういった背景から、ホウライのツノは人類の尊厳を保ったまま、自然と共に生きる覚悟の証とされるわ。 |
![]() | エンジュにはそれがない。 |
![]() |
お姉さんね、体内の因子を克服しちゃったの。 生まれてすぐツノは零れ落ちた。副作用を抑える抗生物質も必要ない。 前例のないことだったから、忌み子として扱われた。 |
![]() | まさか。 |
![]() |
棄てられた。 閉塞的な社会を憎んだ。素性を隠した。 生きるための仕事は選ばなかった。何事も水準以上にこなせるよう努めた。 |
![]() | エンジュおねーちゃん、とても苦労してるの。 |
![]() | うちの経歴だけ生ぬるくて、いたたまれない……。 |
![]() |
気にしないで。 ブラックポイントが開いて、新天地へ足を伸ばしてからは気が楽になったもの。 親しい友人はつくらず。一箇所に長居せず。 |
エンジュ デスメタルな音楽をかける
![]() |
息苦しくて窮屈なだけの日々は終わった。 社会批判がテーマの音楽を、大音響で聴く癒やしにも出会えた。 殺伐とした黒の世界の雰囲気は、お姉さんにぴったりだったわ。 |
![]() | まじで黒の世界に紛れ込んでた! |
![]() |
だいぶ鬱憤も晴れたから、お姉さん、緑の世界のゼクスが建国したっていう千年國を訪れたの。子供の頃に住んでた集落のような、閉塞的な雰囲気は感じなかった。 お姉さんが変わったのか、環境が変わったのか、分からないけれどね。 |
![]() ![]() | …………。 |
![]() | 遠くで雷が鳴ってるの。 |
![]() |
長くなってきたから端折るわね。 かくかくしかじか。 《最凶生物》ザ・ワンとの死闘を生き残ったお姉さんは―― |
![]() | 端折りすぎ! |
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戦場で生涯の親友に出会った。赤の世界のマイスター、衛生兵のロゼットさんは、素朴ながら笑うと可愛い子でね。満身創痍の身体にお菓子の甘さが染み渡った。 忘れていたなにかを思い出すような、優しい……。 |
![]() | その出会いが、エンジュを変えたのね。 |
![]() |
彼女は打ち明けてくれたわ。 大好きな姉と喧嘩別れしたこと。アイドルになると主張する姉を否定したこと。それを聞いたお姉さんは、黒の世界で過ごしていた頃、アイドルにスカウトされたのを思い出した。 |
![]() |
ははーん。 それで芸能界入りを決心したってわけね! |
![]() |
そんなところ。依頼を果たすため、アイドルになるのが手っ取り早かったから。 カナちゃんやアラネちゃんと違って、アイドルになったのはついでなのよ。 不純な動機でごめんなさいね。 |
![]() |
動機なんてどうでもいい。 だけどもし、アイドル活動が〝つまらないもの〟なんて感じてたら、うちとカナが目覚めさせてあげる! |
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なの! おうたは良いものなの! |
![]() |
心配かけてごめんなさい。 縁があって、打算があって、お姉さんはここにいる。 けど、信じて。いまね、最高に充実してるの。 |
![]() | それを聞いてほっとしたわ。 |
![]() |
なんだかノドが乾いちゃった。 しばらく席を外すわね。 |
![]() | 雷雨警報なの。 |
![]() |
あら。 お得意の危険感知かしら? |
![]() |
ううん。 雨に濡れて風邪ひいたら大変ってだけ。 |
![]() |
ええ。 そうね。 気を付けるわ。 |
エンジュ 扉を閉めて退室
![]() | エンジュおねーちゃん、まだなにか隠してるの。 |
![]() | そうなの? |
![]() |
おかおを見れば分かるの。 このままじゃ良くないの。 |
![]() |
はあー……。 参ったわ。 いい話で終わったって、思っちゃってた。 |
![]() | りあは、エンジュおねーちゃんやミーリィおねーちゃんみたいなおかおをしてる人を、放っておけないの。 |
![]() |
エンジュさんはともかく、なんでまた超絶自己中アイドルの名前が。 ……って、お顔? あんたも時々意味不明なこと言うわね。 |
![]() | 家族が優しくしてくれたように、りあもみんなに優しくしたいの。 |
![]() |
よく出来たお子様だこと。 うちもしっかりしないと! |
豪雨と暴風
![]() |
デビュー初日から出待ちなんてあるものなのね。 事務所を通して欲しいところだけど、まあいいわ。 なんの用かしら。 |
すぐ近くに落雷
![]() |
いつものような手加減はなし。 ステラ・リース本戦へ向けて魂を燃やし尽くすわ。 如何なる非道とて、それが恩に報いる道と信じてね。 |
04合同レッスン
![]() | iDAと合同レッスン? なんで? |
![]() | 先方のマネージャーさんから、申し出があったんだよ。 |
![]() |
予選1位通過のユニットと一緒にですか! あわわ……。 いいえ、物怖じしてる場合じゃありません、です。 あたしたちだって本戦ブロックではトップを狙うんですから! |
![]() |
うんうん。その意気だよ。 とはいえ、堅苦しく考えず、いつも通りにすればいいからね。 ほかのみんなも構わないかな? |
![]() |
私は構わないけど。 ……プリズムは大丈夫? |
![]() |
もちろん大丈夫です。 生まれ変わった気持ちで臨みます! iDAさんと一緒だなんて、首が締まる思いですね! キュッと! |
![]() |
首じゃないです! 気を引き締めてください! |
![]() |
しんどくなったら言ってよ? 私じゃ相談しにくいなら、リーダーやアグリィでもいいから。 なんならミーリィでも。 |
![]() |
お気遣いありがとうございます。 プリズムさんは幸せ者です! |
ミーリィとカナ 大空を翔ぶ
![]() | せっかくの合同レッスンなのに。 |
![]() | 空を飛べる者同士、気楽にいこうよ。 |
![]() | りあがしたいのは、サボリじゃなくてハモリの練習なの。 |
![]() |
んー。 あたしさ、ハモリに限らずユニゾンパートって好きじゃないんだよね。 みんなまとめて歌うパートだと、目立たないじゃん? |
![]() | だからアドリブ入れるの? |
![]() |
そゆこと。 ペクティリスパイセンからは〝聞いてないよ!〟って、小言言われるけど。 |
![]() | どうして目立ちたいの? |
![]() | あたしの可愛いさを知ってもらいたいからかな。 |
![]() | どうして知ってもらいたいの? |
![]() |
さあ。 分かんないや。 なんでだろうね? |
![]() ![]() | …………。 |
![]() | りあね、迷子の天使さまに会ったの。 |
![]() | 突然、なに? |
![]() |
アドナキエルさん。 十二使徒って言ってたの。 |
![]() |
それ、わりと偉めの天使だよ。 どういう風の吹き回しか、なんの取り柄もない人間だったあたしを、天使へ昇華させた人。 |
![]() |
そうなの!? すごい偶然なの! |
![]() | まさにその人から聞いた、あたしの過去が本当ならね。 |
![]() | 天使さま、仲間に忘れられるのが〝寂しい〟んだって。 |
![]() |
あ~ね。 すぐにはぐれて行方不明になるから、誰も気に留めてくれないんだってさ。 あたしも一度しか会ってないし。 |
![]() |
〝寂しい〟って言ったおかおが似てたの。 ミーリィおねーちゃんに。 |
![]() | ん? |
![]() |
ミーリィおねーちゃんは怖がってるの。ひとりになること。 だから一生懸命叫ぶの。〝可愛いあたしがここにいるよ〟って。 |
![]() |
いいねそれ。 ウケる。 初めて聞いた。 |
![]() |
もうっ。 自分にウソついちゃダメなの! |
カナ ミーリィの進路を塞ぐ
![]() | アグリィおねーちゃん、りあが取っちゃうの。 |
![]() | んなっ!? |
![]() |
いま、すごく慌てたの。 〝寂しい〟感じたの。 |
![]() |
いや……。急にらしくないこと言い出せば驚くよ。 だいたい人のもの取っちゃダメじゃん。 アレはあたしの親友なんだから。 |
![]() |
あ~あ。 りあが一番のお友達にはなれそうにないの。 がっかり。 |
![]() |
(あたし、試されてる? なんで? さっきから意味分かんない) (プリズムといい、赤の世界のゼクスって電波系ばっかなの?) |
![]() | 決めたの。 |
![]() |
はいはい。次はなに。 もう驚かないからね? |
![]() |
寂しい時、つらい時、泣きたい時、頼って欲しいの。りあねりあね! ミーリィおねーちゃんのママになる! |
![]() |
敵情視察も兼ねて、SHiFTのライブ映像はあらかた見させてもらったわ。 あんたの問題はズバリ体幹よ、プリズム! |
![]() | 体幹なんですね、アラネさん! |
![]() | ……ってエンジュが言ってたわ。 |
![]() |
なるほど。体幹って頭と手足を除いた身体の中心ですよね。 それをもっと鍛えればいいってことですか? |
![]() |
そうね。かく言ううちも……いや、私も独学の期間が長かったから、偉そうなこと言えるほど基礎がしっかりしてるわけじゃない。 だから、うちと……私と鍛え直すわよ! |
![]() |
よろしくお願いします! ところで、どうしてすぐご自分の呼び名を言い直すんです? 〝私〟じゃなきゃダメなんですか? |
![]() |
うっ。そこ突っ込んでくるのね。 ……だって〝うち〟って一人称だと垢抜けないっていうか……。 少なくともクールじゃないもの。 |
![]() | 可愛らしくてアラネさんらしいのに、もったいないです。 |
![]() | バカにしてるの? |
![]() |
いえ。 自分のことを〝うち〟って言う人はそう多くないので、印象に残っていいと思います。 いっそ〝うち〟をクールなイメージの一人称に変えてしまいましょう。アラネさんが! |
![]() |
へえ。その発想はなかった。 ゼロからスタートしてアイドルデビューを果たしたあんたらしいわ。 ただのドジっ子じゃないようね。 |
![]() |
えへへ。 そんな大したものじゃないですよ! |
![]() |
気持ちを切り替えられたみたいで安心した。 ライバルが失敗を引きずって沈んでないか、心配してたんだから! |
![]() | いつもと代わり映えしないけど、よろしくね、ニューちゃん。 |
![]() | はっ、はひ! |
![]() | (リーダーと個別レッスン。個人授業。ありそうでなかったシチュエーション! SHiFT5人にiDA3人という数の妙と、私のくじ運が引き寄せた奇跡のコラボレーション! 大丈夫? 自我を保ってられる? いいえ。私はSHiFTのクール担当。私がハメを外したら誰がみんなの暴走を抑えるというの!? 冷静になれ。冷静に……) |
![]() |
そうそう。 この機会にはっきりさせておきたいんだけど。 |
![]() | はい! 上下関係ですね! なんなりとお申し付けください! 肩を揉めと言われれば生命に代えても揉みますし、三回回ってワンと鳴けと言われれば三千回回ってバターになってから鳴きます! サンドバッグになれと言われれば―― |
![]() |
言わないよ! そんなこと! |
![]() |
わたし、ニューさんの呼び名でいっつも悩んでるんだよね。 毅然とすべきか親しげに接するべきか。年上の後輩だから難しくて……。 〝ニューさん〟と〝ニューちゃん〟どっちが好き? |
![]() | 私はペクティリスさんが大好きです! |
![]() | うん? |
![]() | …………。 |
![]() | ああああああああ! |
ニュー 壁を突き破る
![]() | ニューちゃんさーん!? |
![]() | ああああああああ! |
![]() |
あら。 なにかあったのかしら? |
![]() |
練習に熱が入ってるんでしょうね。 ニューさんは真面目ですから。 |
エンジュ スプーンで紅茶をかき混ぜる
![]() |
(いまごろミーリィちゃんはどうしてるでしょうか……) (カナちゃんにふにふにぺたぺたされてないでしょうか……) (特に例の抱きつきは危険です……。いろんな意味で……) |
![]() | 砂糖ひとつで良かったかしら。 |
![]() |
あ。はい。 それで大丈夫、です……ケド。 |
![]() |
ふふっ。 もうひとつ入れるわね。 |
エンジュ ティーカップをアグリィへ差し出す
![]() |
はいどうぞ。 今日はいい刺激になったわ。 |
![]() |
こちらこそ勉強になりました、です。 ありがとうございます。 |
![]() | ぺーぺーのお姉さんが言うのもなんだけど、アグリィちゃんって、デビュー当時からとても成長したのね。 |
![]() |
そんな滅相もないです! ……で、でも、具体的にはどんなところが……。 お聞きしても良いでしょうか。 |
![]() |
歌やダンスのスキルはもちろん。 なにより度胸がついたんじゃないかしら。 とても大事なことよ? |
![]() |
確かに……。 昔のあたしなら、知り合ったばかりのエンジュさんとこうしてお茶するのも、無理だったです……。 |
![]() | お仲間の影響かしら? |
![]() |
そう、ですね……。ペクティリスさんからはアイドルのイロハを、ミーリィちゃんからは愛嬌を、ニューさんからは大局を見渡す冷静さを学びました。 どれも、度胸に繋がってると思います。 |
![]() |
プリズムさんは? 失敗ばかりで大変じゃない? |
アグリィ スプーンで紅茶をかき混ぜる
![]() |
プリズムさんは絶対に諦めません。 いつも前向きだから、あたしも勇気をもらえました。一緒に頑張れました。 あたしに度胸がついたというなら、なにより、プリズムさんのおかげです! |
![]() |
そっか。 どうやらひと筋縄じゃいかなさそうね。 |
エンジュ 席を立つ
![]() | 次は、決勝のステージで! |
![]() |
はいっ! あたしたちは負けません! |
05ステラ・リース本戦
シャッター音とフラッシュ音
![]() |
はわわ。 ステラ・リース本戦への意気込み、ですか……。 いつもより遥かに大きな舞台ですので、萎縮しないようがんがんばあばばば! |
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協力するよリーダー。 それでSHiFTがトップになれるなら。 あたしの可愛さを知るきっかけが増えれば、なんだっていいんだけどさ。 |
![]() |
かつての私は、私が私であるためにアイドルを目指した。 いまの私は大切なみんなのためにアイドルであり続ける。 出会いが私を変えたの。 |
![]() |
大反対されたのを強引に押し切ってデビューしたので、ロゼットさんはきっとお怒りです。 だから胸を張れるお姉ちゃんになるんです! |
ニュー ひそひそ
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ちょっとプリズム。 これ、全国に放送されてるのよ。 妹の名前出してもいいの? |
![]() | あっ! ……スタッフさんいまの編集でカットできませんか!? ですよねー。生中継なので無理ですよねー。妹は美味しいお菓子のパティシエなんです。機会がありましたらどうぞよろしく! っていま宣伝しましたので許してくださいロゼットさん! お姉ちゃん頑張りますから! |
![]() |
はいっ。カット~! というわけで、いつも通りのSHiFTメンバーでした。 応援よろしくお願いします! |
![]() |
iDAのみんな。 見ててくれたんですね? |
![]() |
お疲れさま。 さすがにインタビューの類は手慣れたものね。 せいぜい参考にさせてもらうわ。 |
![]() |
(ステラ・リース本戦ブロック開始) (心臓がバクンバクンしてるわ……) (うわああ! どうしてうちがリーダーなのよおおおお!) |
![]() |
あんたたちも馴れ合うな! 何度も言うけどライバルなのよ!? |
![]() ![]() | イエーイ! |
ミーリィとカナ 手のひらぱっちん
![]() |
楽しくおうたを唄えるなら、誰が一番とかカナは全然気にしないの。 だけど、一緒に歌ってくれる人が増えるなら、欲張ってみてもいいかな? |
![]() |
いいんじゃない? ま。適当にやろうよ。 |
![]() |
なの。 〝寂しい〟も追い払ってあげるの。 |
![]() |
そのナゾ設定、ま~だ生きてるの? もう好きにして……。 |
![]() | なんの話です? |
![]() | カナがあたしのママになるんだってさ。 |
![]() | アグリィおねーちゃんはパパになるの。 |
![]() | えっ。 |
![]() |
とほほー。 またドジっちゃいましたー。 |
![]() |
もはや恒例よね。 妹さんに謝っておくのよ? |
![]() | はいい……。 |
![]() | プリズムさん、いいかしら。 |
![]() |
あ、はい。 なんでしょう、エンジュさん? |
![]() | む。 |
![]() | お姉さんね、実はあなたを引退へ追い込みたいの。 |
![]() | そうなんですか!? |
![]() |
いまの反応で確信した。 初手は失敗に終わったって。 |
![]() |
そういうことよ。 目障りだから消えてくれる? |
![]() |
相変わらず手厳しいのね。 ……知ってる? お姉さんね、ニューちゃんに校舎裏へ呼び出されたの。 |
![]() |
校舎裏ってなによ。 スタジオ裏じゃない。 |
![]() | なんて言われたと思う? |
![]() |
待って。 余計なこと喋るな! |
![]() | 〝プリズムに忠告どうも。けど、二度と知った風な口利くな。私たちはあの子の根性に救われてる。頑張りは無駄にならないし、させない! あの子は私が守ってみせる!〟 |
![]() |
んー? ニューさんはそんな熱血セリフ言いませんよ。 ……あれ。床でうずくまってどうしたんですか? |
![]() |
とてもいいチームなのね。 SHiFTは。 |
![]() |
はい! そうなんです! |
![]() |
だから謝るわ。ごめんなさい。 そして誓うわ。二度と小細工はしない。 ……けれど。プリズムさんの味方には、なれない。 |
客席から歓声
![]() |
ふふっ。 お姉さんを楽しませてね。例えば……。 プリズムさんの妹さんも納得できるような、最高のパフォーマンスを期待してるぞ! |
![]() | みなさんと、全力でぶつかってきます! |
![]() |
ファンの歓声が……。 初めてです。 あんなに大勢……。 |
![]() |
あんたなに転がってんの? 衣装ダメになるよ? |
![]() |
う、うるさい。余計なお世話。 予選10位の私たちがトップバッターなんだもの。 精神統一くらいするわよ! |
![]() |
りあが起こしてあげるの。 んしょ。んしょ。 重い~~~~。 |
![]() |
重い言うな! 言っとくけど、機械のパーツのせいだからね!? |
![]() | ありゃ。 |
![]() |
では、ひと足お先に行ってきますね。 ステラ・リースとその栄冠は、そのままわたしたちが戴いちゃいます! |
![]() |
上等! ライバルのうちたちが、iDAが! 必ず阻止してみせる。 間違ってもほかのアイドルに敗れる無様は晒さないことね! |
SHiFT 走る
![]() | 迷いは夜空に打ち上げてきました! |
![]() | いい顔じゃない、みんな。 |
![]() | あたしはもともと可愛いよ? |
![]() | 自分を信じて……。絆を信じて……。 |
![]() | トップ目指そう! |
SHiFT ステージ登壇
![]() |
プリズム! ニュー! ミーリィ! アグリィ! ペクティリス! 5人の想いを込めたSHiFTの新曲です! 聴いて下さい! Make your day!! |












